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12月, 2014の投稿を表示しています

撮影部位:膝関節

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一般撮影の記事が進まないのは、聖書を見てもよく分からないし、これで本当にいいのか、先生の又聞きから類推するしかないからです。 解剖を知れ!というけれど、言葉の意味とイメージが合致して初めて本当の理解になるんだ。。なま暗記が一番大嫌いなんだ。。それは客観的な状況を頭の中で自分で再構築出来てはじめて分かるんじゃないですか。。。。?わっかんねえよ(と愚痴ってみる) →入職してみて、沢山膝関節の撮影をしてきて分かったことをまとめてみます。 膝関節は大腿骨下端の内側顆および外側顆と脛骨上面の内側顆および外側顆との間の関節である。 これに膝蓋骨が絡み、腓骨は含まれない。 膝関節は股関節と同じく、上体を支える重要な役割を持つ。一方向に曲がる一軸関節であり荷重関節である。この関節を支える為に結合組織、靭帯、筋肉が多く、骨性組織は少ない。 <膝関節正面は臥位、立位どちらでも撮影することがあります。関節の評価の為に、荷重をかけた時の状態を見る為に、立位で撮影することがうちでは多いです。 また、変形性膝関節症など、内側・外側における関節間隙の差を見たい時にはローゼンバーグを撮るときがあります。内外差が出ていれば、自分はOKだと思っているのですが、理論的なことは以下の記事がいいと思います。 ローゼンバーグ撮影法と顆間窩撮影法(ホルムラッド法)の違いを考えてみた! 今この記事を見返すと、自分が今まで撮ってきたローゼンは 顆間窩がかなり開いていた気がしてきた。しかし、膝を曲げて撮るので、ポジショニングしたら早めに撮ってあげないといけなくて、正直角度計とか使っていちいち見ている訳にもいかないし、難しいな。。。> 逆に股関節の場合はほねとほねとのつながりが密接で、臼蓋や足関節がほぞ等の骨性構造をもっていてがっちりと関節を作っている。 正面像 <体位> 前後方向は背臥位または長座位で行う。両下肢を伸展または膝関節を10度屈曲する。これが大腿脛骨関節縁を見るのにベストポジションになる。20度だと+10度分上向きになる。 <中心線> 膝蓋骨尖に垂直入射。 →膝の両側を <確認点> 脛骨下方の内果側と外果側の関節間隙が明瞭に観察出来る。

胸部CT検査

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出典: 飯塚病院放射線科 胸部CT検査では、基本的に縦隔と肺野レベルの2つパターンを出すことが多い。 X線撮影で分からない点を精査する為にCT検査を行う。 胸部異常影の検出と正常構造との位置関係、リンパ節評価が検査目的となる。血管疾患を評価する目的で検査を行うこともある。 肺野は基本造影しても変わらないことが多いので、あまりやられない。 検査時は大きく息を吸った状態(深呼気)で撮影するのが基本である。大きく呼気をすることで、肺胞領域と疾患部や肺動脈とのコントラストがよくなり、疾患の性状を把握し易いからである。肺がふくらんだりしぼんだりしてしまうと、その分のずれが情報量を減らしてしまう。 検査を行う上での基準を決める為にまず事前にX線管も寝台も動かさないで撮影する。これをスキャノ画像という。これにより位置決めして撮影を行う。(スキャノ画像の違いは、撮影しているX線管、SID、検出器の違いだけれど、ほぼFPDと同じ原理と言えるかも) 観察する主な疾患 出典: Radiopaedia (右下葉肺炎) 肺炎…細菌が気道から肺に感染し、炎症を起す。炎症のある部分がややCT値が高信号になる。これは空気と比較したときの線減弱係数がやや高くなるからだと考えられる。(水=0、空気=-1000 線維化した組織は40~50くらい?) 出典: Radipaedia 慢性閉塞性肺疾患COPD…よくタバコにより引き起こすことが多いとされる。従来は慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていたが、近年発生機序をもとに改名。肺野に気腫性変化が著名である。 気胸…肺から空気がもれて、胸腔にたまっている状態をいう。肺が空気に押されて小さくなっている。自然気胸・交通外傷による気胸等がある。(気胸のあんまりいい画像が無かった。) 出典: Radiopaedia 原発性肺癌…気管・気管支・肺胞のいずれかの上皮から発生する上皮性悪性腫瘍の総称。腺癌・扁平上皮癌・大細胞癌・小細胞癌と組織が多彩なことが特徴。 出典: Radiopaedia (転移性の悪性黒色腫) 転移性肺腫瘍…肺への転移型式は血行転移が圧倒的に多く、転移性腫瘍の原発臓器では、肺・膵臓・肝臓・大腸に多い。(黒色腫も腫瘍の一つとして画像に挙げていますが、間違って

JPEGを凌駕すると言われるBPGについて

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JPEGに代わる? 新しい画像フォーマットBPGとは?(THE PAGE 2014/12/25) 出典: Fabrice Bellardさんのサイト まだMacはコンパイラが対応してなくて、Windows対応だけのようなのですが、 JPEGと同じ圧縮率でも解像度を高く保つことが出来る圧縮方法が開発されたそうですね。 (上のLena画像は右がBPG(5836bytes)、左がJPEG(5872bytes)) JPEGは小さめにしておけばさほど気にはなりませんが、Webページで900pxとかで表示しようとするとノイズが酷い時もあるので、使えるようになったら嬉しいです。 開発したのはフランスのエンジニア。圧縮処理した画像を変換出力する際の損失を少なくすることが出来るそうです。 JPEG圧縮では、画像を波形として捉え、周波数変換という手法で画像の大まかなところと細かいところに分けて考え、再現しにくい細かい部分を間引く処理を行っています。 JPEGでは周波数変換の際に0~7番目迄の余弦波を用いて変換する。これを DCT(離散コサイン変換) と呼びます。DCTは周波数成分を8x8のマトリクスによって再現します。 この方法で変換、復元を行うと、元の画像では見られなかったノイズ、モスキートノイズ、ブロックノイズが発生します。 出典: Fabrice Bellardさんのサイト Fabrice Bellardさんのサイトではデモ画像が沢山展示されているので、見てみると面白いですよ! BPGでは復元を行う際に、これらのノイズを低減して滑らかに表現することが出来る様です。JPEGの実装に対する、BPGが用いている手法は HEVC/H.265 という動画圧縮に用いられている手法のようです。また、非可逆圧縮にしか対応していないJPEGと違い、非可逆圧縮にも対応しています。 逐時近似法のような手法を用いているのかも知れません。ただ、もしNL(non local)-meansという手法を使っていたとしたら、恐らく医用画像には使えません。 というのも、遠い場所でも同じような輝度であれば、同じにしてしまおうという手法だからです。そうすると、確かに見た目には綺麗な画像だけれど、本当に確認したい情報を失ってしまう可能性もあります。(参考:この

ブログを始めてから1年8ヶ月

ブログを見ている方、有り難うございます。 私は今の専門学校に入学してから、自分が勉強していることを自分ごとにしたいと思って入学当初からブログを始めました。 実際に学会を見学に行ったり、展示会などを見に行く中で、分かったこともありました。 それらを自分の視点を混ぜながら、文字に起してきたつもりですが、やっぱり全然足りないなと感じました。特に Radiographica や MRIfan.net という現役の技師さんが書いているブログには全然及びません。来年はもっといい記事を書けるようにしたいと思います。 また、ブログを途中であまり書かない時期もあったのですが、ちょっとした記事でもいいので面白いと思ったことは書いてみようと思って続けてきました。 ブログを書いている池田信夫さんがブログを続ける秘訣は「自分の都合で書くことだ」とおっしゃっていました。 ただ、まだまだ足りないなあ。。頑張ろう〜

Image JでMIP画像を作る方法

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3次元の画像は画面上ではXY平面しか見ることが出来ない。そこで、Z軸で何枚かのスライスに切り分けることが出来る。このスライスをまとめたものをスタック画像と呼ぶ。 xy方向だけでなくz方向の情報も追加される。z方向の値はスライス枚数順であり、下のバーをスクロールすることで、スライスを移動させることが出来る。 MRIやCTをLCDの画面上で観察する為には、臨床現場ではAZEやZIOSOFTなどのワークステーションを使っていると思うが、 ここでは個人PCでも使えるフリーソフトImage Jでスタック画像を見てみよう。 File->Open Samples->MRI Stack(528K)を表示してみる。 左上:何枚目/全体の枚数が記載されており、下のスクロールバーをスクロールすれば、MRIの画面が動いていく。 MRIの画像は人体を横に輪切りにしたような画像がいくつも並んでいてスクロールすることで、輪切りにしている部位が変化していく。 このような3次元の動的変化を観察することも画像解析には必要な要素である。 <スタック画像のコマンド> Image->Stacks->Add Sliceによってスライスを増やすことが出来る。 Image->Stacks->Set Sliceで特定のスライスに移動することが出来る。 <MIP画像の作り方> 特定のスライスを選択して、そのスライスの中での最大値や最小値を画像として表示することが出来る。(MIPやminIPと呼ぶ) こんな感じ。それぞれのスライスの中で最も輝度の高い値をXY平面上に表示しています。 どのスライスを切り取るかは、観察したい部位にもよります。 また、3Dで再構成するとこんな感じ。

X線写真について気になったネタ画像

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勉強の息抜きにどうぞ〜 1.シートベルトをしないとL3~L5のあたりが損傷して、下半身不随になりますよ。という広告。 出典: sugar-mond 2.昔のX線撮影はこんな感じだったのです。鉛防護もまともにしているように見えないし、増感紙も性能のいいものを使ってないのでもちろん被曝線量は半端無かったでしょう。 出典: radiopaedia(Facebookページ) 3、腹囲の大きな患者さんは、軟部組織が占める割合が大きいだけで、骨格は普通の人と同じなんですね。それは体に負担がくる訳だ。。気をつけよう。 出典: キニ速 4、私のポートレートは頭蓋骨です。 出典: abitare.it あとは、蛙の人形君が頭部のX線診断してもらったら、 案の定、頭撮ったはずなのに手の骨が出てくるって いうジョークが面白かったんですけど、見つからないな。。

ホメオスタシスの乱れが全ての疾患の根本原因

内部環境とは生体を形成する細胞にとっての環境である細胞外液の状況を指す。 この内部環境は変動するものであり、ある範囲内に維持するメカニズムが働いている。このメカニズムのことを ホメオスタシス(生体恒常性) と呼ぶ。 解剖学の先生が以前「病理の根本原因は、要はホメオスタシスの乱れなんだよ」とおっしゃっていた。実際つきつめて考えればそういうことになるのだろう。 学校で最初にもらう病理学の教科書に書かれていることから類推する。 総論でいうと、主な疾患はこの通り。 循環障害、代謝障害、老化、先天異常、炎症、免疫応答、感染症、腫瘍 これらは、内部環境が変化する理由が体の組織の機能異常なのか、免疫応答の機序によるものなのか、細胞の変性によるものなのか、いずれにせよ生体恒常性が維持出来なくなっている状態だと言える。 実際、このホメオスタシスで考えてみよう。 健康な人は血液やリンパ液が循環して、どこかで止まることが無いはずである。止まっていれば、それはうっ血や充血、あるいは浮腫という形で現れる。あるいは腫瘍という形で現れる。 そうなってしまうのは、循環をどこかで止めてしまう何かが存在するからだ。あるいは患者さんが何かが違うことを知覚しているかも知れない。(痛覚など) 消化管?消化器?泌尿器?呼吸器?循環器?脳神経系?様々な要因があるが、頻発する疾患は、特徴を掴み易いはずだ。。と思う。 各論をもっと勉強しよう汗

医療情報システムのオープンソース化に向けて活動する人

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電子カルテなどの医療情報システムはブラウザの種類と比較出来ないくらい多種多様で、それぞれが別々の仕様になっている為に、違うシステムを使っているところ同士で情報のやりとりがうまく出来ない。結果として同じ患者に同じ問診をしてしまうなどの無駄が発生しているようです。 もし、これらのシステムの内部構造が基本同じなら、情報のやりとりが円滑化されていい訳です。みんなWordとExcelを使ってくれ、その方がメールで添付するとき楽だわ、、という話です。かつ、みんなが使ってるバージョンにしてねっていう。。 これらを自分達で作っていこうという取り組みがあります。EHRの分野は、アメリカを始め様々なところで進みつつあります。 先日、米国保健福祉省(HHS)というアメリカの省庁が、2015年-2020年健康医療IT戦略を発表し、電子カルテや地域医療連携ネットワークの相互運用性確保を政策の柱として打ち出したそうです。 アメリカでも違う病院同士でシステムをまたいでカルテの情報が共有される方向で進んでいる。 市民がWebプログラム開発をして、公共性の高いシステムを築いていく動きを「Civic Tech」と言いますが、この動きを活用し市民参加型でデザインを考えていくのがここでは原則の様です。  この分野に、Code for AmericaというCivic Techを担う団体やその地域ベースの団体が入り込んでいく。  "New federal health IT strategic plan sets stage for better sharing through interoperability" http://www.hhs.gov/news/press/2014pres/12/20141208a.html 北欧では医療システムが進んでおり、特にエストニアやデンマークは進んでいます。 デンマークでは電子カルテシステムから集積された国民医療データベースを解析した結果が、Nature Communicationsに公表されています。 このデータベースと、遺伝子データや電子政府のオープンデータを連携させたビッグデータの利活用による科学的エビデンスづくりが、デンマークの健康医療IT戦略の柱になっているそうです。 IBM、シスコ

昨日から冬休みです。

昨日から冬休みです。 昨日は、2月7日に開催する 医療×ITカンファレンス というイベントの内容について打ち合せし、 CADのセミナー に伺って、LP-AcademyのGoogleハングアウトで Pythonの勉強 をしていました。 さて、この休みはがっつり稼ぎ、勉強し、知恵熱を出したいと思います。 2月から実習だ〜

1日で試験のまとめノートを作り、範囲の内容をインプットする方法

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試験前のまとめは大抵見開きの中にダイアグラムと→でつなぐようにしている。 どの要素に分解して考えると見開きの中で整理し易いかを考えてまとめると、短期決戦の中で1日だけでも簡単にまとめることが出来る。あとは、いかにどれだけ普段の授業を真面目に聞くことが出来るかにかかってくると思う。 普段の授業は、確かに眠いが、そこで自分の頭の中で自己再現出来なければ、知ったことにはならない。。だから、今知らないことが多いから、年末頑張らないとなんだけど。。 医用画像でまず重要なのは、まずは「画像」だ。その画像にはどんな種類があるかをまず一番上に書く。それから、その「画像」を使ってどんなことをするのか?について⇄を引く。授業用の資料を読み込んでみて、分かったのは、画像に対して行うことは、「画像処理」と「画像圧縮」の主に二つである。 この二つにまず⇄を引く。それらに関する詳しい内容が書けるように、下に余白が入るようにイメージする。 そして、画像処理、画像圧縮それぞれについて、またどんな「画像処理」「画像圧縮」の方法、種類があるのかを再び網羅する。 「画像処理」の"方法"は、画像処理の中の一つという意味だから、下位リストに書く。「画像圧縮」の可逆、不可逆については圧縮の"分類"だから、同じレベルで考える。 人に説明するとき、一般論から話し始めると思う。「医療の現場で使われている画像ファイルには、まずそもそも画像自体を作っているデータとそれを補足する医療情報が含まれている。」という一般論からまずは始める。「だから、一般の人からするととっつきにくいかもね」みたいな主観が入ってもいい。 言葉で伝えられない時は絵にする。また、授業でもらった資料の中で使えそうな概念図は流用する。ネットワーク層の違い、繋がり方の意味は、全体像で捉えると分かり易い。

X線映像装置について

X 線映像装置 1、 透過 X 線を利用して人体の透過像を検出し観察する装置のこと。 X 線像を作るフィルムカセッテや透視撮影台も含まれる。 X 線 TV 装置、 I.I 、ミラーカメラが挙げられる。 2、 直接撮影は、透過 X 線が直接受像機に照射される。間接撮影はミラーの反射、屈折などを用いて、 X 線像が間接的に受像機に入射する。 ( フィルムには X 線が照射されない ) 透視は、連続発生する透過 X 線をリアルタイムで受像機に可視化し、観察する。 3、 X 線 TV : X 線管→光電子増倍管 ( 蛍光板 ) →タンデムレンズ・ CCD ・映像増幅・ CRT や LCD 。 4、 イメージインテンシファイアは、被写体を透過した X 線により入力蛍光面に可視像を形成するその隣接する光電面により放出された光電子を集束電極の印加により加速集束させて、出力蛍光面に衝突させることでより明るい蛍光像を得ることが出来る。 ( 映写機+虫眼鏡のイメージに近い。 ) < 各装置の概要 > ・入力窓:機械的強度が高く、 X 線透過性に優れ、散乱線を除去する性質のものを用いる。 Al または Ti( チタン )X 線吸収の少ない ( 原子番号の低い )Al が最近ではよく使われる。 ・入力蛍光面: CsI(Na) 微細柱状構造で、光を横方向に漏らさないので、像が乱れることがない。また、蛍光面の厚膜化により、 X 線から光への変換効率を向上させる。 ・集束電極:入力蛍光面で発生した光電子に 30kV 程度の高電圧を印加することで出力面に集束させる。出力面が陽極、入力面が陰極となっていて、負の電荷を帯びた光電子は印加電圧によって出力面に集束される。可変視野管の場合、印加電圧が変更出来るようになっている。 ・出力蛍光面: Zn,CdS 蛍光体を使用し、出力面に集束された光電子により発光させる。 5、 I.I について (1) 入力面の大きさは (15~40)cm φのものがある。出力像の大きさは (20~30)mm φ程度。イメージ管内の電圧を切り替えて、 2~3 種類の視野を選択することが出来る。 (2) 入力面蛍光体: CsI:Na  出力面蛍光体: Zn(Cd)S (