X線映像装置について

X線映像装置
1、
透過X線を利用して人体の透過像を検出し観察する装置のこと。X線像を作るフィルムカセッテや透視撮影台も含まれる。XTV装置、I.I、ミラーカメラが挙げられる。

2、
直接撮影は、透過X線が直接受像機に照射される。間接撮影はミラーの反射、屈折などを用いて、X線像が間接的に受像機に入射する。(フィルムにはX線が照射されない)透視は、連続発生する透過X線をリアルタイムで受像機に可視化し、観察する。

3、
XTVX線管→光電子増倍管(蛍光板)→タンデムレンズ・CCD・映像増幅・CRTLCD

4、
イメージインテンシファイアは、被写体を透過したX線により入力蛍光面に可視像を形成するその隣接する光電面により放出された光電子を集束電極の印加により加速集束させて、出力蛍光面に衝突させることでより明るい蛍光像を得ることが出来る。

(映写機+虫眼鏡のイメージに近い。)

<各装置の概要>
・入力窓:機械的強度が高く、X線透過性に優れ、散乱線を除去する性質のものを用いる。AlまたはTi(チタン)X線吸収の少ない(原子番号の低い)Alが最近ではよく使われる。
・入力蛍光面:CsI(Na)微細柱状構造で、光を横方向に漏らさないので、像が乱れることがない。また、蛍光面の厚膜化により、X線から光への変換効率を向上させる。
・集束電極:入力蛍光面で発生した光電子に30kV程度の高電圧を印加することで出力面に集束させる。出力面が陽極、入力面が陰極となっていて、負の電荷を帯びた光電子は印加電圧によって出力面に集束される。可変視野管の場合、印加電圧が変更出来るようになっている。
・出力蛍光面:Zn,CdS蛍光体を使用し、出力面に集束された光電子により発光させる。

5、I.Iについて
(1)入力面の大きさは(15~40)cmφのものがある。出力像の大きさは(20~30)mmφ程度。イメージ管内の電圧を切り替えて、2~3種類の視野を選択することが出来る。

(2)入力面蛍光体:CsI:Na 出力面蛍光体:Zn(Cd)S
(3)出力蛍光面の輝度:(像の拡大率Mの逆数)^2×陽極電圧:入力蛍光面の輝度の(1/M)^2倍。M<1なので、輝度は出力面の方が大きい。(虫眼鏡の光の集まっている狭い範囲は輝度が明るい)

6
変換係数:入射X線の空気カーマ率Kに対する出力蛍光面の平均輝度Lの比(12~35くらい)
コントラスト比:入射X線の有無における出力蛍光面での輝度の比(25~30くらい。)
解像度:X線用解像力チャートでの見分けうる限界の本数[lp/mm]30形で4.0lp/mm,15形で5.5lp/mm
空間周波数特性:小視野のI.I.ほど良好だが、X線量は多く必要(光の量は多い)
量子検出効率(DQE):入射全量子に対し光出力像の形で忠実に伝える度合い
(出力のSN/入力のSN)^2×100[%]

タンデムレンズ:I.Iの出力像を忠実にTVカメラに入力する役割をもつ
映像分配器:映像出力を目的に応じて撮像管のほかに各種カメラに送るようにするもの。

:撮像装置とはI.Iで作られた出力像を光から電気信号に変換するもの。
:撮像管:光学像を電気信号に変換する電子管
光導電形撮像管にはビジコン・プランビコン・カルニコン・サチコンなどがある。光導電膜が光をうけて抵抗値が低下する。これを電子ビームで走査することで、画面上の光の強弱を電気信号に変換する。
10:CCDカメラ:入射光のエネルギーによりCCD(電荷結合素子)上に電荷が蓄積され、これを取り出すことで光学像を電気信号に変換する。

CCDカメラの走査は、一回の走査で1枚の画像を作るか(順次走査)、二回の走査で1枚の画像を作る(飛び越し走査)がある。飛び越し走査(インタレース)では、走査を1本おきに行い、2回の走査(2フィールド)1枚の画像(1フレーム)を分解・再生する。

11:撮像管とCCDの違い
(LCDCRTもそうだけど、ブラウン管と液晶テレビの違いを考えてみるとよいかも。あと、CRFPDの違いに近い気がする)

基本的にCCDカメラはいいことづくめ
コントラスト分解能:高い
周辺解像度:周辺部劣化なし
ダイナミックレンジ:広い
ハレーション:なし
ひずみ:なし
残像:なし
機械的強度:強い
寿命:半永久的
(撮像管はその逆)

12:FPDは光電子増倍管やタンデムレンズ、撮像装置を介さずに直接電気信号に変換出来るため、モトル要素が少なくなる。CCDでは電気信号に変換する前に光電子増倍管を通して光量子を集束させなければいけないが、FPDI.Iで光量子を増幅させなくても、半導体・ダイオードを用いて電気信号に変換することが出来る。

13
(1)全画素数と走査線数の関係:画面を多数の画素に分解し、画素を組み立てて画面を再生する過程を走査という。走査線数がより多くなるほど画素数は大きくなる。

(2)順次走査・飛び越し走査
CCDカメラの走査は、一回の走査で1枚の画像を作るか(順次走査)、二回の走査で1枚の画像を作る(飛び越し走査)がある。飛び越し走査(インタレース)では、走査を1本おきに行い、2回の走査(2フィールド)1枚の画像(1フレーム)を分解・再生する。

(3)飛び越し走査:フレーム周波数は30Hz(毎秒画像をコマ送りで表示),フィールド周波数は60Hz(毎秒60回走査している),
水平周波数は525(走査線)×30(画像:フレーム周波数)=15.75kHz
垂直周波数は60Hz(毎秒縦方向に動いている数:走査数)


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