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3TでMRIを撮影すると画像がくっきりするのか??

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先日お邪魔させて頂いた AZE展の優秀賞の一つに「 3T-MRIを利用した脳神経Multi Volume画像 」というものがありました。 翠清会 梶川病院の大屋先生という方の 発表でした。 より分かり易いイメージの為にAZEさんのHPから拝借させて頂きます。 3T-MRIにより脳神経の様子を分かり易く捉えることが出来る(AZE展発表ページより) こうした画像により、脳神経のレイアウトを正確に捉え、患部を治療することが出来る そうです。が、まだこれだけ見てもちょっと分かりません。。 MRIとは核磁気共鳴法(Magnetic Resonance Imaging)のことで、おおまかにいうと、 原子核のスピンにより磁石の性質を持つようになる物質を用いた医療画像の撮像法です。 これまで、X線画像ではアーチファクトの関係から確認出来なかった脳の灰白質などの 軟部組織の様子もしっかり捉えることが出来るようになりました。 脳のMRI画像(wikipediaより) ここで、磁気が関係してきましたが、1.5TのMRIより3TのMRIの方がより明確な撮像が出来るということみたいです。 ここで電子工学が絡んできますね。Tは磁束密度の単位。1T=10000G(ガウス)。ピップエレキバンが1300G程度なので、ピップエレキバン約8個分くらい。それほど大きな磁力でもないのです。 そもそもMRIってどうやって撮像(MRIは撮影でなく、撮像といいます)しているのかというと、身体を構成する成分から水素の励起信号だけを取り出しているのです。 42.58MHz/Tという周波数のRF信号を照射することで、身体の中の1Hが励起して、核スピンのベクトル総和が変化します。このベクトル総和の変化(磁化、緩和現象)が、MRIの信号となるのです。(よく電子レンジと原理は似ていると言われますが、電子レンジのように身体を熱くしないようにJISで取り決めがあります。) もう少し詳しくは こちら からどうぞ。 電子工学に関連して単位は こちら のサイトをご覧下さい。 こちらの 翠清会 梶川病院というところは、脳神経疾患の治療に特化した病院で、チームでかなり力を入れて頑張っているみたいです。広島県にあるようです。 病院のサイ

放射線物理学で最初に学ぶ基礎的な単位

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放射線とは、物質を電離する能力を有する 電磁波 または 粒子線 のことである。 電磁波とは、電場と磁場が周期的に変化しそのエネルギーが空間を伝わる波である。  これだけ聞くと分かり辛いけれど、 空間座標において、磁場をx、電場をy、進行方向をzなどとしておいて、 x平面上、y平面上では三角関数グラフのような周期的な波が生まれる のをイメージすれば分かり易いと思う。 <各種単位> …だいたい小数第4位まで覚えていれば、ほぼ完璧 光の速さ: 3.00(≒2.997925)×10^8m/s 地球を数秒レベルで回ってしまう。 光速の不変性:真空の光速度は観測者や光源の運動によらず不変である。 →そのため、動いている物体に乗っている人は、光の速さが変わらない分 長い時間を生きていることになる。( 相対性理論の時間:L=l√1-(v/c)^2 ) 電子1個の電荷(電子は負の電荷を持っている) C=1.602×10^-19m プランク係数: 6.626×10^-34Js ここまでの電磁波やプランク係数の説明については、 こちら にもかなりいい説明が ありました。参考にしてみてください。 中性子過剰数N:原子は安定する為に反発し合う陽子をつなぎとめる役割として中性子を陽子以上の数、原子核に持っている。 A=Z+N 原子核の大きさ: 1.4×10^-15×A^1/3m 光子エネルギー:E=hv または E=hc/λ (v:電磁波の振動数 λ:電磁波の波長 h:Planckの係数 c:光速度) 色と波長(380nm~750nmが可視光線):wikipediaより 例えば、700nmの波長の赤い光だと、 E=6.63×10^-34×3.00×10^8/(700×10^-9)= 2.84×10^-19Jとなる。 振動数はc/λより、 3.00×10^8/(700×10^-9)=4.28×10^14回 元素: 原子番号 によって区別される特定な原子の種類。 原子番号:原子核の陽子の数。記号でZと表記する。中性原子の場合、原子核の周りを回る軌道電子の数は原子番号に等しい。 陽子:原子核を構成する素粒子の一つ。質量は電子の 1836倍 で +e (1.602×10^-1

最初の定期試験が終った。

専門学校に入学してから初めての定期試験が終りました。 ここで、これからの試験の乗り越え方とか、そういうことについて 触れていきたいと思います。 まず、放射線科で学ぶ科目としては、知識修得重視の科目と 知識応用重視の科目の二手に分かれます。 知識修得重視としては、 解剖生理学・病理学・生物・写真学(撮影学基礎) などが あります。これらは、それぞれの要素の関係性をインプットし必要に応じてアウトプット しなければなりません。 それに対し、知識応用重視の科目としては、 物理学、電機電子工学、放射線物理学 などが あげられます。これらはある程度の計算単位、法則、公式についての知識でもって、 様々な仮定状況に対する解を見つけ出す科目です。 そう考えると、この両者は相反するアプローチが必要になってきます。 ぶっちゃけ、理系出身の方の場合は、解剖で沢山いろんな知識を詰め込まなくてはいけない、というプレッシャーがあると思いますし、 文系出身者は、そもそも物理学とか電子工学とかやってないわけですからね。。。 一回の授業で覚えなくちゃいけないことが沢山あり過ぎて混乱するかも知れません。 そこで、 自分は、科目内で覚えなければいけない勘所をまずはその授業授業ごとに見つけることを心がけることにしました。 つまり、今の授業を先生から一つ一つ聞いて、ただノートを書くだけではなくて、 必要な知識の全体像から捉えて考える、ということです。 そもそも放射線技師になる為の勉強なので、全て放射線技師の仕事に関わってくるものばかりなのです。そこで、 「実際、この知識は一体どこで使うんだろうか?」 とか 「そもそも、今は何の為にこれを学んでいるんだ?」 という考え方が凄く必要になってくるのです。 この考え方がないと、ただ毎日雑多な知識を毎日詰め込んで家に帰るだけになります。でもそうじゃないでしょ?? 私はAZEさんの発表会に参加して、そのあとの懇親会で色んな方と絡んだり、 大学教授に自分からアポイントをとってお話を伺ったりしてみて、 やっぱり全部リンク しているんだな 、ということが分かってきました。 解剖生理学、病理学 の知識は、画像診療の際に、どの部位が患部になっているのか?、神経や他の組織を傷つけずにどうやって外科治療すればよ

電気に関する主な組み立て単位

物理では何らかの変化が観測出来たかどうかを調べている為、 それを客観的な形に直す為に数学を用いて、ある単位を基準に 変化の差とその因果関係を測定している。 基本的には別々の要素ならば、強め合うはかけ算、弱めるものは割り算、 同じ動線内では足し算引き算が原則である。 距離が遠ければ、お互いのエネルギーは弱めるし、 逆に磁気や電気が二つ存在していれば、お互いの磁気や電気を強めてくれる。 そしてそれぞれの性質のエネルギーが具体的な力をどこまで持ち合わせているかを 1kgの物体を1m/s 2 の加速度で加える力F(N)で表している。 また、時間単位や空間、長さ単位でこまぎれに変化を測定したいからこそ C/m2とかV/mといった単位が出てくる。 <電気> 電荷・電気量:クーロン:C Q[C]=I[A]・t[s] 電束密度:クーロン毎平方メートル:C/m 2 …1平方メートル以内にどれだけの電荷が存在しているか。 電界の強さ:ボルト毎メートル:V/m E[V/m]=V[V]/I[A] 電圧・電位:ボルト:V V[V]=P[W]/I[A] 静電容量:ファラド:F 誘電率:ファラド毎メートル <磁気> 磁界の強さ:アンペア毎メートル:A/m 磁束密度:テスラ:T …1平方メートル以内にどれだけの磁気性質が存在しているか。 T=Wb/m^2 磁束:ウェーバー:Wb …磁気性質の強さ φ[Wb]=B[T]S[m^2] 超磁力:アンペア:A インダクタンス(自己):ヘンリー:H …電流の変化に対する磁気の変化量の比率 磁気モーメント:A・m^2 Wb・m 透磁率:ヘンリー毎メートル …磁気が通っている媒質がどれだけ磁気を通し易いか。 磁気抵抗:アンペア毎ウェーバー、ヘンリーの逆数:A/Wb H^-1 …磁気の変化量に対する電流の変化(磁気があまり変化しないのに電気をすごい食っていれば、電気エネルギーから磁気エネルギーへの変換効率が悪いので磁気抵抗が強いことになる。 電気抵抗:オーム:Ω  …電流の変化量に対する電位・電圧の変化(電流I(1秒ごとの電子の流れ)があまり強くならないのに電荷に対する仕事量Vが高ければ、電流を流す効率が悪いので電気抵抗が強いことに

ワークステーションの意義

ワークステーションによって、2D、3D画像として認識させ、血管や内臓、神経のレイアウトを正確に把握することが求められています。 VR(Volume Rendering)やMIP(Maximum Intensity Projection)などなど、出来ることは沢山あります。 というのも、これまで血管や内臓のレイアウトはこれまで血管造影などの侵襲的な方法が使われたり、カテーテルなどを入れても、その向きが分からないまま穴だけを見て外科作業をする為に別の組織を傷つけてしまうといった失敗例があったからだそうです。 ワークステーションを使えば、CTやMRIなどで撮影した画像を多元的に判断することができ、ものの数十分で患部を正確に判断することが出来るようになりました。 しかし、あくまで写真を撮ることに変わりはないので、沢山撮影する時は放射線による侵襲度を考慮した上で撮影しなければいけません。例えば、小錦を撮影するのと、普通の人を撮影するのとでは、放射線の散乱度合が違います。 その為、放射線量をいかに適切に抑えるべきかを考える必要があると。。 ワークステーションにはAZEのほかに、ZIOSOFTなどがあるそうです。

AZE2013展に行ってきました。。

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今回初めてAZE2013展@東京国際フォーラムに参加させて頂きました。 このイベントは、医療画像を画像編集するソフト( ワークステーション )を駆使していかに診療放射線技師さんが医療判断を助け、円滑に患者の治療を行っていくかについて、発表する会でした。 医療画像を編集する為のソフトウェアとして、 Osirix(オシリックス) や Image J 、 Apolo Viewer などというものがあるそうですが、このワークステーションはちょうど医療系のAdobeのようなソフトで、使い方が熟練すればする程、医療判断を改善出来るという優れものでした。 僕は学生の身分で、はしっこに座りながら、分からないなりに発表を聞いておりましたが、大動脈弁の開閉範囲について心エコーを用いたり、副鼻腔炎の処置に対し、近接する神経や筋肉を傷つけない為に道筋を3Dで明確にしたり、肝臓や脳の腫瘍をMRI画像で撮像し、グレースケール画像をカラー化して分かり易くしたり、CT画像、MRI画像等を組み合わせて( フュージョン )、色々やってみたり、しているんだなあと思いました。 エコー・超音波に関しては検査技師が行っているケースが多いけれど、中小規模の病院・診療所の場合だと放射線技師がエコーもやる場合が多いそうです。 発表後の情報交換会にも参加させて頂き、シュリンプとかサーモンとかパスタに舌鼓をうち、ビールを飲みながら、色んな方とお話させて頂き、職場の状況、何が求められているのか、といったことを勉強させて頂きました。 30年前までは、扱う機械のことだけ分かっていればよかったのが、最近になると、撮影時にいっぺんに100枚以上のデジタル画像が作成され、 臨床的判断でひとつずつ選別したり、そもそもコンピューターによるソフトウェア編集スキルが無いとどうにもならない 、という部分が沢山出てきているようです。。 医療情報管理士 といったものも国家資格になるからとったほうがいいようです。 来年も時間を見つけて参加しようと思います。。