医療情報システムのオープンソース化に向けて活動する人

電子カルテなどの医療情報システムはブラウザの種類と比較出来ないくらい多種多様で、それぞれが別々の仕様になっている為に、違うシステムを使っているところ同士で情報のやりとりがうまく出来ない。結果として同じ患者に同じ問診をしてしまうなどの無駄が発生しているようです。



もし、これらのシステムの内部構造が基本同じなら、情報のやりとりが円滑化されていい訳です。みんなWordとExcelを使ってくれ、その方がメールで添付するとき楽だわ、、という話です。かつ、みんなが使ってるバージョンにしてねっていう。。

これらを自分達で作っていこうという取り組みがあります。EHRの分野は、アメリカを始め様々なところで進みつつあります。

先日、米国保健福祉省(HHS)というアメリカの省庁が、2015年-2020年健康医療IT戦略を発表し、電子カルテや地域医療連携ネットワークの相互運用性確保を政策の柱として打ち出したそうです。

アメリカでも違う病院同士でシステムをまたいでカルテの情報が共有される方向で進んでいる。

市民がWebプログラム開発をして、公共性の高いシステムを築いていく動きを「Civic Tech」と言いますが、この動きを活用し市民参加型でデザインを考えていくのがここでは原則の様です。

 この分野に、Code for AmericaというCivic Techを担う団体やその地域ベースの団体が入り込んでいく。

 "New federal health IT strategic plan sets stage for better sharing through interoperability"
http://www.hhs.gov/news/press/2014pres/12/20141208a.html

北欧では医療システムが進んでおり、特にエストニアやデンマークは進んでいます。

デンマークでは電子カルテシステムから集積された国民医療データベースを解析した結果が、Nature Communicationsに公表されています。

このデータベースと、遺伝子データや電子政府のオープンデータを連携させたビッグデータの利活用による科学的エビデンスづくりが、デンマークの健康医療IT戦略の柱になっているそうです。

IBM、シスコなど、アメリカの大手ベンダーが大挙してデンマークに投資しています。 「Temporal disease trajectories condensed from population-wide registry data covering 6.2 million patients」
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4090719/


このあたりの話題が気になるので、今後も調べたり見ていこうと思います。

<参考資料>
医療情報オープンソースソフトウェア協議会

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