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8月, 2013の投稿を表示しています

X線ラジオ装置の搬出・搬入を見学しました。

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学校でX線ラジオ装置の搬出・搬入が行われるということで、学生も立ち会いにくれば?というので、やってきました。 なかなか面白かったです。特にI.I.(イメージインテンシファイアー)の実物を見て、イメージを持てたのは大きいです。理論上は分かってもやっぱりイメージ湧かないんだよね。。 東芝電子管デバイスさんから拝借 東芝電子管デバイスさんから拝借 イメージインテンシファイアーは、入射したX線を「強調する(インテンシファイ)」するものであり、電子が加速すると教科書では書かれていますよね。しかし、実は「集束させる」というイメージの方が実態としてはあっています。。 というのは、今回搬出されていったイメージインテンシファイアーは、入射したX線を、12インチの幅から1インチの幅におさめています。これは、そのままの幅では 検出されるX線があまりにもぼんやりしていて、画像としてはっきりしていない からだそうなんです。 それを小さい枠に収めることで輝度を高め、画像としての質を高めるのがインテンシファイア(強調するもの)としての役割なのだとか。。 また、搬出のときも一つ一つバラバラにして持っていくのですね。高電圧変圧器の箱、アナログの撮影ディスクセット、操作するコンピュータ、寝台などがバラバラに解体されて、一つずつ運ばれていきました。 コンデンサも新しいMacのハードディスクみたいな感じでかなりいかつかったですw 注:画像はイメージです。

放射線OSSに行ってきます。

放射線オープンスクールという医師のキャリアパスを考える医学生の会と公益財団法人 医用原子力技術研究振興財団が共同で企画しているツアーがあるらしく、今回それに参加します。今さきほど東京駅を出て、栃木の東芝メディカルシステムズさんに見学に行きます。 詳細は こちら 。

もしも自作でX線装置を作るとしたら。

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いや、実は自分もそういうものが自前で作れないかなとふと思ってgoogleさんに調べていたら、同じことを考えている人がいましたね。。 試してみたいなあ。。しかし、コードはどう書くんだろう。

読書感想文:放射線と人間〜医学の立場から〜①

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読書感想文で読んでいる2冊目の本です。 放射線と人間〜医学の立場から〜 という本を、Amazonの中古で安く買って読んでいます。 この本自体はかなり古く、初版が1974年なので、書かれている現状もかなり古いですが、逆に参考になることも沢山ありました。 19世紀末にレントゲンがX線を発見し、ほどなくして医療へのX線利用が始まりましたが、放射線に関する正確な知識が無かった為に、直接高濃度のX線を照射しており、それによる急性障害を引き起こしていたそうです。 急性障害については恐ろしい表現が並べられています。皮膚の水泡が発生する、髪の毛が抜けるといった軽い症状から、放射線被爆による自律神経の障害による嘔吐、造血器官の障害に寄る血球の一時的な急減といった症状、果ては、腸内の繊毛細胞の死滅による消化吸収不全、細菌感染による死、中枢神経を侵されることによる死、が挙げられていました。 職場環境の劣悪さもあいまって、放射線関係者が身体を壊していた実情も紹介されていました。 こうした実情は徐々に改善されていったようです。 X線照射の距離を長く設定したり、X線を濾過する板、身体を透過したX線を検出する被写体を堅い乾板から感光度の高いフィルムに変えるといった工夫がだんだんとされていったことで、照射X線量を数十Rから1R以下に抑えることが出来るようになったと言われています。そして、戦後の早い時期にICRPの勧告で、「この線量以上は越えてはならない」基準 それでも、長期間微量のX線を浴び続けることでそれがだんだんと蓄積されることで、後々起こる弊害や、一度強烈なX線照射を浴びて長いスパンを経てから起こる癌などの晩発性障害を引き起こす例は沢山あったようで、対策をとってから10年かけてやっとおさまってくる、ということもありました。 これから、放射線関連の仕事に就くことになるので、密封線源を扱うなど、ある程度の被爆線量を浴びることになるだろうと思いますが、現在では機械の発達によりPCアプリケーションの操作によって、より非侵襲的な治療方法を見いだせるようになってきています。 それまでには様々な犠牲があり、それを経てやっとここまできたのだ、という先人の知恵を知っておかなければいけないな、と風立ちぬもみて余計そう思いました。

Essential Anatomyを使うと解剖学がぐっと分かり易いw

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英語のアプリケーションなのですが、iphone ipad macのPCに対応した 3D人体解剖図アプリケーションがあるようです。 http://applications.3d4medical.com/essential_anatomy/ このEssential Anatomyというアプリケーションですが、血管から神経、内臓の分布まであらゆる内容が全て入っています。一部の内臓や特定の組織だけを表示させてどんな形態になっているかを観察することも出来ます。 勉強するにはもってこいです。ただ、2950円と値が張りますが、教科書代と考えれば、安いものではないでしょうか??

撮影に利用されるX線とその撮影条件

まず、放射線とは物質を電離する能力を持つ電磁波または粒子線のことである。 このうち粒子線には、α線、β線、電子線、中性子線が存在する。 一方、電磁波には、γ線、X線が存在する。 これらのうち医療画像の撮影に特に用いられるのはX線である。 X線には、おおまかに特性X線(示性X線:線スペクトル)と、制動X線(阻止X線:連続スペクトル)というものに分類されるが、そのうち特に制動X線をよくつかう。 (X線管の中からX線が作り出されるプロセス) 1,交流を直流に整流し、直流電源から電流(電子の流れ)がX線管に流れ込む。 2,陰極から熱電子が発生 3,熱電子が加速. 4,陽極ターゲット(Wタングステンがメインだが、Moモリブテンの場合もある)への衝突 5,電子の運動エネルギーが変換されX線として放出される。 管電圧に比例してX線も増加する。 (撮影条件) 1 管電圧(kV) 2 管電流  (mA) 3 時間(s) 4 撮影距離(SID) 5 増感紙 6 フィルム 7 グリッドの有無

放射線の分類・用途・種類

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(放射線の分類) 放射線は電磁波と粒子線の二つに分かれる。粒子線は粒子が飛んでくる流れ。揺れるエネルギーの動きが電気的に磁気的に周期的に変化するのが電磁波である。ちょうど、水が揺れているものを波というけれど、それと同じことが起こっている。 (基本的な放射線の原理) 波は物体に当てると、様々に変化していく。放射線も同じであり、人体に照射すると、形や質に応じて、透過したり、反射したりして、最終的にフィルムやセンサーなどで検出される。 これが、放射線写真の原理である。 レントゲン写真の最初の発端は、電極管の研究をしていたレントゲンが実験に使っていた電極管から放出されていた放射線が蛍光物質を塗った実験材料がたまたま被写体となって、光っており、自らの手の透けた映像を偶然見たことがきっかけだった。 X線が透過する物質・透過しない身体の部位があり、それによって骨や内臓部分を浮き出して確認することが出来るようになった。 X線を用いているだけで、レントゲン撮影も写真の一種であり、被写体に露光させ、現像、画像形成するという点では全く普通の写真と同じである。 現代では、このX線の代わりに超音波の波を使ったり、原子核の磁気共鳴を使ったり(MRI)しながら、アナログ映写やデジタルによる演算処理を用いて、人体の内部構造を分析する手法がどんどん発達してきており、もはや、CTやMRIの無い医療は考えられない、という段階まで来ている。 (放射線の種類) 放射線は具体的には α線、β線、γ線 が代表的である。 α線 はヘリウムの核、 β線 は電子(−は中性子が陽子に変わる際に出てくる陰電子、+は陽電子)、 γ線 は励起状態の原子から放出されるエネルギーである。これらは原子が何らかの影響を受けてエネルギーや粒子を放出する時に現れる。この現象には、α壊変とかβ壊変などがある。 α壊変は陽子2個と中性子2個(α粒子)を放出し、原子番号が2、質量数が4少ない核種へと変化する現象のことである。 例:Ra(質量数226)→Rn(質量数222) 半減期:1.6×10^3y エネルギー4.784(MeV) ・・・この時の壊変前のRaを 親核 、壊変後のRnを 娘核 という。 β壊変にはβ−壊変とβ+壊変がある。 β−壊変は中性子過剰の原子核内で、中性子が崩壊 (n

生命を支配する遺伝子

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あらゆる生命の情報を規定するのが遺伝子である。遺伝子はデオキシリボ核酸(DNA)によって構成されている。 染色体の長腕と短腕の交差する部位のことを セントロメア と呼び、細胞分裂時に染色体の凝縮、移動に関する数種類のタンパク質が集積し、 道原体(キネトコア) というタンパク質が形成される。 染色体 の構造(wikipediaより) (1)  染色分体 (2)  セントロメア (3) 短腕 (4) 長腕 遺伝子にまつわる研究は、1869年にミーシャーがクリミア戦争時にうみ(膿)を白血球から分離させたことから始まった。 1944年にはエイブリーが遺伝子DNAを発見。ヌクレインと命名。 1953年には ワトソン・クリック が、X線回析により DNAの二重螺旋構造 を発見した。 日本でも遺伝子の解読する為のヒトゲノム解析計画は我が国独自で勧められてきた。 (トランスクリプトーム解析→プロテオーム解析→メタボローム解析) DNA鎖中で実際にたんぱく質に翻訳される遺伝子部分は 全体の約5% 程度である。

放射線の生体高分子への影響

放射線がDNAや酵素といった生体高分子に損傷を引き起こす場合、 直接作用 と 間接作用 がある。 直接作用 とは、放射線が文字通り生体高分子に直接作用(電離あるいは励起)し、高分子に損傷が生じる場合のこと。 間接作用 とは、放射線が水分子への直接作用で生じた フリーラジカル(遊離基) が生体高分子に作用する場合のことをさす。 フリーラジカル とは、水分子が電離、励起したことで生じるOH・やH・などのことである。 <ラジカルの生成> H 2 O++H 2 O→H 2 O++OH・ e-+H 2 O→OH-+H・ <ラジカル同士の結合> H・+H・→H 2 OH・+H・→H 2 O OH・+OH・→H 2 O 2 細胞内には水が多量に含まれているので、 低LET放射線(X線、γ線、β線) の場合は、間接作用の割合の方が直接作用より大きいが、 高LET放射線(中性子線、α線、重粒子線) の場合は直接作用が主である。

結合エネルギーと質量欠損

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核子の質量を合計した質量と実際の原子量に差がある。 これは、核子同士が結合して原子の体を成り立たせる為に必要なエネルギーによって 質量が変換されていることによる。 この考え方は質量とエネルギーは本質的には同じであるという 質量とエネルギー等価の原理(特殊相対性理論) の考えに基づいて考えている。 つまり高い位置から低い位置に落ちれば、運動エネルギーが生じる一方で位置エネルギーが減少するのと同じように、 質量(ひいては質量をベースとした位置エネルギー、ポテンシャル)が重い(高い)位置から軽い(低い)位置に落ちることで 結合エネルギー が生じる一方で、 質量が欠損する 、というイメージ(だと思う。。この場合、図の Epotが質量、位置エネルギーになり、Ekinが結合エネルギーになる。。等価だから、交換可能であるはずだ。でなければ、エネルギー(J)は質量(g)と=で結べないことになる。(間違ってたらご指摘下さい・・) 因みに、原子全体における平均結合エネルギー(核子1個あたりの結合エネルギー)は、だいたい 8MeV であるが、元素によってまちまちである。 軽い核(質量数A<20) は質量数の変化とともに結合エネルギーも激しく異なってくる。一方で、 重い核(A>20) は、平均約8MeVで推移する。質量数A=60付近で極大になり、 鉄が最も結合エネルギーが強くなる。 (だから鉄が構造物に使われるのかも知れない。丈夫だし) A>60以降になるとだんだん結合エネルギーが小さくなる一方で、質量数も増えるため、不安定になっていく。こうした元素は核子を大量に持っており、エネルギーのポテンシャルも膨大な為、原子力に利用される。 <質量欠損の式> ΔM=m p Z+m n N+m e Z−W ΔM:質量欠損 m p   m n  m e :それぞれproton陽子 neutron中性子 electron電子1個の質量 W:原子量

原子質量単位u amu

電荷QはC(クーロン)で表され、一電子の持つ電荷は -1.602×10^-19C である。 この1C分の電荷を一Vの電圧差だけ運ぶ仕事量を 1eV という。 これを一電子単位で考えると 1.602×10^-19eV である。 amu(atomic unit) 炭素原子の原子核の質量を12u とした時の各元素の原子の質量をu単位で表したもの。 1uは 核子1個の質量にほぼ相当する。 <1uの求め方> 1molの質量/1mol= 12g/6.022×10^23≒1.6605×10^-24(g) そして、あくまでu単位の質量比を表しているので、質量数はその原子の 原子量(atomic weight) に一番近い整数を示しているに過ぎないのである。 12 C:98.9%     13 C:1.1%   より、地球上に存在するC全体で見たときのCの原子量は12.011 これに最も近い整数は12なので、質量数は12、、という具合である。そして、質量数は陽子と中性子の数の合計値である。 1uの持つ静止エネルギーは、 E=mc2=1.660×10^-27×(3.00×10^8)^2=1.49445×10^-10(J) =1.49445×10^-10×1/1.602×10^-19≒932865168.5≒932MeV (基準としては、1uの静止エネルギーは 931.5MeV として覚えておくべし。)

読書感想文:放射線医療〜CT診断から緩和ケアまで〜①

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学校の宿題で読書感想文が出ています。いくつかの参考文献の中から 読んで内容をまとめて、夏休み明けに提出するというやつです。 今回の宿題では、数冊読んでいますが、そのうちの一つが 「放射線医療〜CT診断から緩和ケアまで〜」(大西正夫著 中公新書) で、 今読んでいる途中。。 この本は、日本における放射線医療の問題点について洗い出している。 その大きな問題の一つがCTを過剰に利用しすぎてはいないか、という問題である。 日本ではCTを持っていることがある程度の医療行為が提供出来るというステータスになってきた為に、診療所レベルでもCTを保有しており、 CTの世界大国 になっている。 しかし、普段の診察からCTに頼り過ぎている嫌いがあり、それが被爆線量を増やす原因にもなっている。医師の観察眼で十分に判断出来る場合でも、とりあえずCTを使ってしまう傾向があり、適材適所で使われていないのが現状である。 ICRP勧告 で、職業人、一般人ともに一定の被爆線量の制限が設けられているが、医療被爆に関しては、 「個々の患者によって、必要な放射線診療も違うから、使わないことによるデメリットの方が大きいなら、使った方がいい」 という方針の為に、 線量限度は設けられていないのです。 でも、医療現場で医師や放射線技師が適正に判断し、患者に説明した上で使わなければいけないが、必ずしもそうはなっていないのではないかと・・ 実際に2004年に英国の医療専門誌Lancetにおいて、 診断用のX線被爆による発ガンリスクが、日本で最も高いことを指摘する論文 が発表され、議論を呼んだようです。 ( Risk of cancer from diagnostic X-rays: estimates for the UK and 14 other countries ) また、日本人は新しい物好きでもあり、 PET(ポジトロン断層法:positron emission tomography) という技術が出てきた時に放射線診療を劇的によくするとしてもてはやされたり、MRIにより非侵襲的な治療、診断が出来るようになると言われてきたけれど、それぞれの技術に向き不向きがあったり、注意しなければいけない事項がある(磁性体は厳禁など)ので、どの技術を使うにしても適材適所で使ってい

X線CT装置の仕組み

本日X線CT装置の解体があり、非常に参考になりました。学校や病院、施設においてあるX線関連の装置は古くなった段階で取り替える必要が出てきます。 その時に、先生にお願いして、その工程を見せて欲しい、と言えば見せてもらえるかもしれません。 現場の技師さんは搬入、搬出の立ち会いをする際にイニシアチブをとることがある そうなので、実際にどのような中身になっているかを実機で確認する機会があって、非常によかったです。 CTはX線照射部がぐるぐる回転し、その照射面へベッドに固定された患者を移動させていくことで、全身のX線濃度を検出、デジタルに変換して画像として処理するのです。 CTのX線照射は 回転陽極 によってX線が放出され、 ビームトリマー によってX線が絞られ、人体に照射されます。 普通陰極線は細長いくだのようになっていますが、回転陽極は円状になっていて、軸が設定されており、ちょうどコインのようにぐるぐると縦に回るようになっています。 そして、回転陽極の電気をまかなう為に、 スリップリング というものが使われています。例えるなら パンタグラフ です。電車は沢山のパンタグラフから電気をもらって走っていますね。 パンタグラフが電線との接点をもっていて、電気を常に供給出来る状態 になっている為に走っている。スリップリングはそれがちょうど円になったもので、回転運動をするたびに接点があたり、電源から電気を供給出来るようになっているのです。 電気エネルギーは99%が熱エネルギーに変換されます。仮に130kV×200mA×20秒だとすると520000Ws 1J=1Wsなので、520000Jの熱量に変換されます。 1J=0.24calなので、520000×0.24=124800cal 3000mlの水を40℃以上上げることが出来ます。 このように、非常に高い熱量を扱うため、 HU( ホットユニット :節子それ、ヒートユニットや) も大きくなっています。 高い電力を扱う為に、インバーター制御を取り入れて装置を小型化しています。 IGBT というインバーター制御の為の スイッチングデバイス があり、直流を交流へ変換。周波数の調整により、高い電圧でも扱えるようにしています。このスイッチは半導体スイッチで、ぱたぱた動くことで交流が発生します。 こうして