放射線の生体高分子への影響

放射線がDNAや酵素といった生体高分子に損傷を引き起こす場合、直接作用間接作用がある。

直接作用とは、放射線が文字通り生体高分子に直接作用(電離あるいは励起)し、高分子に損傷が生じる場合のこと。

間接作用とは、放射線が水分子への直接作用で生じたフリーラジカル(遊離基)が生体高分子に作用する場合のことをさす。

フリーラジカルとは、水分子が電離、励起したことで生じるOH・やH・などのことである。

<ラジカルの生成>

H2O++H2O→H2O++OH・

e-+H2O→OH-+H・

<ラジカル同士の結合>

H・+H・→H2
OH・+H・→H2O
OH・+OH・→H2O2


細胞内には水が多量に含まれているので、低LET放射線(X線、γ線、β線)の場合は、間接作用の割合の方が直接作用より大きいが、高LET放射線(中性子線、α線、重粒子線)の場合は直接作用が主である。

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