線量低減の為に必要なこと

①可動絞りの利用

可動絞りを利用して、X線診断上必要な範囲で受像面やカセッテ枠内に絞る。可動絞りによって照射範囲をコントロールすることが出来る。ちなみに工業用のX線装置には可動絞りがない。JISの規定はこちら

医薬品医療機器総合機構HPに様々な可動絞りの仕組みが掲載されている。一例としてはこれ

X線撮影装置の絞りは特殊な形をとっていて、奥羽根・上羽根・下羽根に分かれている。絞りを回すことによって羽根が動いて、照射野が調節される仕組みになっている。

②生殖腺の防護

子宮など、生殖腺に多量のX線を照射してしまうと、細胞分裂を盛んに行い、若い細胞が多い組織であるぶん、被爆に寄る遺伝的影響も大きくなると考えられる。(ベルゴニートリボンドウの法則から、放射線感受性の高い細胞は、未分化で細胞分裂が盛んな細胞である。)

ICRPの2007年勧告では、生殖腺の組織荷重係数は0.08となっていて、被曝することで個体が死に至る可能性は低く見積もられている。

ただ、特に子宮の場合、胎児や子供に影響するかも知れないので、特に生殖腺は避ける、あるいは防護しなければならない。ICRPもこれについてはかなり力を入れている。

子宮やそれ以外の場所をおおい、鉛をあててX線の被爆を低減させる工夫が必要だ。

因みに、X線CTなど、検査の種類によって被爆線量が高い場合もあるが、CT1回だけなら胎児に影響を与えることはないそうだ。逆に母親が不安状態に陥ることが影響を与え、奇形を作ってしまう可能性がある。

③高感度システムの活用

直接or間接システムを使って行う。低い線量でも感度よく撮影することが出来るようになれば、被爆線量を相対的に低くすることが出来るからである。

④AEC(Automated Exposure Control)

X線照射開始と同時に平面検出器(FPD)により線量を経時的に測定し、最適なX線線量となった時点で照射を停止。

ただ、AECもおばかなところがあり、短時間撮影時に線量の立ち下がりの遅れが影響したり、逆に長時間で撮影した時に線量が

⑤適切なGridの使用

Grid比5~8:管電圧70~100kV

Grid比10~14:管電圧100kV~

ちょうど、グリッド比の値が管電圧の2桁目の値になるとよいみたいです。

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