条件付きMRI対応ペースメーカーの検査について

ここ最近、ペースメーカーの方でも条件付きでMRIで検査が出来ると思われているのか、ペースメーカーの患者さんが来院される頻度が増えているという話を聞きます。

そこで、聞くのが、医師、看護師をはじめ、医療スタッフにどこまでMRIの仕組みについて認知されているんだろうということです。ペースメーカーでも検査が出来るMRIの条件があると同時に、ペーシングをいじった上で行うというペースメーカー側の条件がついている、ということです。

最近では、3Tでも検査が出来る、フルボディで検査が出来る、磁場の強さに応じてMRIモードに自動設定、自動解除されるようなデバイスも販売が始まっているようです。

3T & 1.5T フルボディスキャン対応型 条件付き MRI 対応ペースメーカを発売(バイオトロニック社 2018/3/1)

また、心臓に埋め込むタイプのペースメーカーもいくつか出てきています。(これは、レントゲン撮影の正面、側面でもペースメーカーが入っているか分かり辛く、結構ヤバいと思います)

日本メドトロニック,カプセル型で世界最小サイズのペースメーカ「Micra 経カテーテルペーシングシステム」を2017年9月より販売開始 〜リードを使わず心臓内に留置〜(Innervision 2017/9/4)

なので、事前準備がきちんと適切に行われている必要があります。スタッフが事前研修を受けていることが必要ですが、各社が出しているため、各社統一の研修が行われています。http://cieds-mri.com/jadia/public/top/select-login

検査条件も「不整脈デバイス患者のMRI検査サイト」(医療従事者向けのサイトです!)の施設基準のところにPDFで掲載されているのですが、

研修を修了した循環器医師が安全性を確認した上でオーダーし(他科の場合も同様)、リードとペースメーカーの両方に問題が無いことを確認。当日は、患者さんからペースメーカー手帳を持参して頂き、最終チェックをして問題が無いことを踏まえて行います。

また、検査の当日は、パルスオキシメーターまたは心電図モニターをつけて、心拍の変動に問題が無いことを検査窓、カメラの映像などから確認し、急変時は除細動器が使える状態にしておきます。

立ち会いに循環器医師(主治医とは限らない)がいることが望ましいとありますが、メーカーの方が立ち合うこともあります。(各現場で確認してください。)

検査後のペースメーカーのプログラミングは循環器医師が行います。

など、様々な準備が必要なのです。

外来で先生が忙しく、ペースメーカーの検査があるたびに毎回先生が立ち会いに行くのも
大変なので、曜日を固定して条件付きMRIの検査枠を設けている病院もある。

また、何もかも全てを医師の判断をあおぐとなると煩雑だからということで、検査が入るタイミングで、MEさんがデバイスの確認に立ちあい、情報収集する、というところもあるようです。

また、デバイスのプログラミングも自動設定になっているペースメーカーの場合は、検査後に先生が何かをすることはほとんど無いかも知れませんが、

患者さんは、自分の体内にある機械がどういう仕組みで動いているのか詳しく知らない人がほとんどだと思うので、その場合は、検査後に立ち合った先生に説明してもらうのが筋だろうと思います。(技師ではなく)

ITEMやJRCなどで、また講演等あると思いますので、改めて技師さん同士で情報交換し、うちではこうやってるんだけど、他のところではどうなの?とディスカッションした方がいいと思います。




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