CT,MRIだけでは認知症は診断出来ないのではないか?

認知症はCTやMRIでわかるのか?という記事を見かけたので、書いてみようと思います。

認知症の検査の為に、CT,MRIを撮ることがあります。高齢者専門の病院だと特にその傾向が強いです。ただ、画像検査だけで鑑別診断をすることは出来ないので、いくつか他の検査の結果等とあわせて判断します。

https://info.ninchisho.net/dem_diagnosis/d10

認知症のなかにもアルツハイマー、レビー小体型、脳血管性、前頭側頭型などあり、海馬の萎縮、大脳基底核の萎縮等、見るべき箇所は分かれていきます。経過観察で萎縮が進行していないかなどを調べます。

認知症の種類(認知症ねっと)

また、認知症の進行を調べる為に長谷川式(HDS-R)やMMSEという手法で点数化したりします。

HDS-Rの場合、30点中、24点とかならそれほど進行してないかな、13点とかだとあまり問診しててもお話が通じないかなといったおおまかな判断をします。

長谷川式の質問形式を同期でお互いにやってみましたが、若い人ならあまり意識しなくても当然出来る形式です。MMSEはやったことが無いので分かりませんが、、

進行している人は、MRIで最初のローカライザー(CTでいうスカウト)を撮っている時にも既に分かるくらいです。

VSRAD((Voxel-Based Specific Regional Analysis System For Alzheimer's Disease)というソフトウェアがあり、認知症の為の検査の場合は、1.5T MRIでシーケンスを走らせながら、ソフトウェア専用の端末に画像を送り、解析させサーバーに送ります。

このソフトを使う意義は、3次元で健常者とのずれを比較してスコア化できると言うことです。アルツハイマー型認知症で早期に萎縮すると言われる海馬傍回という箇所は、スライスを一枚ずつ見ていると分かり辛いです。2Dだと厳しい。

なので、ピクセルじゃなくてvoxelで見よう、ということなんです。簡単に言うと。。

それぞれの患者さんの違いに対してどう対応するのかに関しては、Optimized VBM,DARTELといった非線形変換とかのプログラムが進化していて、精度もだんだん高まっているということです。詳しい原理は、英文途中まで読んだけど数学が分からないとダメでした。。

ただ、結局はソフトウェアなので、ソフトに診断の責任は負えないので、あくまで診断支援でしょう。ワークステーションを使って処理をするのを、CADに含むように、それだけで診断は完結しない。

AIを使ってソフトウェアで診断が完結するとしたら、それは医療の概念が変わるということですね。

今年くらいに、こういうのが進むかな。応援してます。ITEMでもブース出すらしいよ。

EIRL Next Medical Vision






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