CTの前からデュアルエナジーだった骨密度

最近、CTのデュアルエナジーで、異なるX線エネルギーを用いて画像化すると、CT値から実効原子番号に近い情報を得ることが出来、虚血の有無等が分かり易くなる、という話があります。

デュアルエナジーって新しいんだなあと思っていたのですが、もっと前からそういえばDEXA(Dual Energy X-ray Absorption)があったじゃないかと思いました。つまり骨密度を調べるのに、2種類のX線を用いるというものですね。

骨密度の装置がどうやって2種類のエネルギーを出しているかと言うと、1つはKエッジフィルター方式、もう1つは異なるエネルギーのX線をパルス方式で照射すると言うやつです。

K-エッジフィルターとは、K吸収端のエネルギー値をもとにして、特定の2種類のエネルギーを持つX線を取り出す、という方式です。

マンモグラフィーだと、ベリリウムをフィルターに使うことで軟X線が残ってどうの、という話を勉強したと思います。(忘れてしまった。)

同様のことが、骨密度のデュアルX線発生方式にも使われているようなのです。因みに以前はGd153を使っていましたが、時間が倍以上かかっていたようです。(20分くらい)

フィルターにはサマリウムなどを使う様ですが、照射するエネルギーによっても異なるでしょう。うちは100kVでした。

このk-エッジフィルターを活用する為には、そもそも照射しているX線のエネルギーが一定でなければいけない、というところも大事です。

そして、k-エッジフィルターによって得られた2種類のX線によって、骨組織とそうでない組織(脂肪、軟部組織)を判別することが出来ます。全身の脂肪計測もそれで行っている様ですね。

大腿骨近位部BMDマニュアル(日本骨粗鬆症学会)
骨の検査・解析法の解説(クレハ分析センター)

<知りたい言葉>
SMI:Structure Model Index 骨梁が棒状か板状かによって、骨の構造がどうなっているのかを調べる指標。
…SMIはDXAで調べることが出来るのだろうか?


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