胆管癌の治療に技師が関わるとしたら

先日、任天堂の岩田社長が胆管癌で亡くなられました。雑誌等で、昔の写真と最近の写真を比較しましたが、最近になるにつれやつれ方がひどくなりました。

スティーブジョブズも膵臓癌で若くして亡くなる等、社会にとって大きな役割を果たして来た人が肝胆膵系の癌で亡くなった報道を聞くと、何とか避けられなかったのかと思います。

学校の教科書や参考資料を見ながら、実際の治療や検査について見ていきたいと思います。

まず、イメージとしては標的が不整形だったり、動いていて当たりにくい場合は放射線治療の有効性が低い場合が多いです。また、抗癌剤も特定の組織への集積によって癌を治療するので、通り道に出来てしまうと難しかったりします。胆管はどうだ?というと、物質の通り道だし、ビームも当てにくいイメージがありますね。

<検査方法>
まずは腹部超音波検査を行い、肝臓内または肝外胆管が拡張しているのが発見されます。

鑑別診断や進達度評価はMRIで肝胆膵の体液の流れを可視化するMRCPやカテーテルを胆管に挿入しつつ透視と内視鏡で状況を見るERCPが挙げられます。ERCPはその場で胆石のつまりを取り除いたり、膵液を採取することも出来ますが、プロポフォールといった麻酔剤を使わないと、口から挿入して検査を行うので患者が動いてしまうことがあります。実習中後ろで支えていました。

MRCPはよく行われる検査の1つでした。フェリセルツという鉄成分の入った陰性造影剤
を飲んでもらうことで胃液の影響を無くす以外は、MRIで信号をとるだけなので、非侵襲的な検査だと言えると思います。欠損部=体液の途絶なので、そこが何らかの形で閉塞していると考えられます。

ERCPは治療や精密検査をする時に重要な検査と言えます。MRCPで肝胆膵の疾患が調べられるようになってから、ERCPの役割はむしろ上がっている様です。この段階では、IPMN(膵嚢胞性腫瘍:膵頭部に出来る。比較的緩徐に進行するので、経過観察することもある)や総胆管結石の可能性などもあります。

他にもCTや超音波によって調べる方法もあります。

<胆管癌だと分かった場合>
黄疸は初期の段階から発生するようです。

外科的に切除が可能な場合は、切除を行い必要に応じて胆道ドレナージ(ERBD)をします。

外科的切除が不可能な場合は、化学療法や放射線療法を行う様です。

胆管癌では手術が第一選択で、放射線治療は手術出来ない時にやります。ただ、手術出来ない場合は、根治が出来ないので緩和療法を行います。

外部照射の場合もありますが、PTCDのチューブに線源をとりつけて腔内照射を行うこともあるそうです。

発見時には進行癌であることが多く、予後は不良だそうです。


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