MRIの患者さんに関する影響について

実習で、患者さんに対するMRIの影響について調べるように言われました。

主に考えたのは、以下の通り。

金属…磁場による影響。磁性体が磁力の強い場所にとんでいく可能性がある。(ミサイル効果)ペースメーカーを使用しているヒトは中に入れない。

SAR…熱吸収比:周波数、RF磁場、電気、デューティー比などにより体に対する熱吸収が変わってくる。

渦電流…末梢神経に刺激が生じ、しびれが発生する。心臓や筋肉の収縮にも影響する。

閉所恐怖症…非常に狭い空間に入って数十分いなければならず、精神的にこたえる人もいる。

騒音…ローレンツ力による影響。コイルやフレームが歪む為に発生する。難聴になる可能性がある。

ループを形成すると、高周波電流ループが発生し、近接接触部にやけどが発生する可能性がある。


そこで、SARが何故、影響を体にもたらすのかについて調べるように言われました。
MRIは他のモダリティと比べて体への影響が少ない撮像手法ですが、それでも患者さんに悪影響を及ぼす可能性があります。それをきちんと知っていて欲しいという技師さんの心配りでした。

SARの機序と末梢神経刺激の機序について
…RFパルスのような高周波は体内に吸収されると体温を上昇させる。発熱作用の可能性がある。RFパルスが導電体である人体に対して渦電流を発生させ、この時にジュール熱が発生し、体温上昇に起因する。

PNS:末梢神経刺激の発生。単位時間辺りの傾斜磁場の変動(dB/dt)によって電圧、電流が発生する。この電流により心細動、心筋、末梢神経筋に対して刺激が発生する。

ヒートテックのような化学素材は特に気をつけなければいけないようです。

あとは、ペースメーカー、術後の体内金属(チタンなら大丈夫)などが気をつけないといけないですね。

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