直列臓器と並列臓器

直列臓器と並列臓器というのがあります。電池の配列みたいにも見えますが、「片方がだめになっても、全体の流れが生き残るかどうか」という点で同じことが言えます。

例えば、直列臓器というのは、具体的に言うと食道-胃-十二指腸-空腸・回腸-結腸-直腸-肛門の流れです。これらは口から肛門まで直列に繋がっているので、どこかがダメになると替えがききません。

その為、大腸がだめになると、そこを切除して肛門側を人工肛門にしたりします。オストメイトなびの講演を聞きましたが、肛門括約筋がないので人工肛門は袋に残渣をためるしかなく、一定量たまったら、専用のトイレで処理するしかありません。オストメイト専用トイレは駅や病院等にありますが、いつもそういうトイレがある訳ではありません。

胃がんを切除する場合は、直で排泄につながる訳ではないですが、一番最初の消化機能が妨げられるので、食が細くなります。

誰かに胃や大腸をあげることは出来ないです。

一方で、左右で2つある臓器の場合は、片方を切除しても生き残ることが出来ます。
肺や腎臓などは、移植することが出来ます。(生体間移植)

また、並列臓器は、放射線治療が適用されるケースがあります。(ステージ1の肺癌のSRT(定位放射線治療)など。)

ただ、若い人が臓器を悪くした患者さんの為に移植するケースが多いと思います。そのとき、若い人は残りのライフサイクルを考えた時にリスクが大きいのではないかと個人的には思ってしまいます。

でも、ある医療職の知人は、大好きな親族の為に片方の臓器を移植するのだ、と言っていました。

誰かに与えた分しか受け取れないのが人生なので、凄いなというのと自分には絶対出来ないなという思いを感じました。

コメント

  1. 日本の肺移植手術は、国際的な医療コミュニティからの注目を集めています。優れた外科医や医療スタッフによって行われる肺移植手術は、高い成功率と患者の生存率を誇っています。また、日本の厳格な医療基準と品質管理は、手術の安全性と効果を確保するのに役立っています。これらの要因が組み合わさり、日本の肺移植は国際的な評価を受け、患者に希望と新たな人生を提供しています。 肺移植

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