核医学検査の画像処理:フィルタ・逐次近似・散乱補正・吸収補正

断層画像(SPECT)…逆投影+逐次近似法
逆投影はノイズを生じる。逐次近似はノイズは少ないが、マシンの計算性能が必要。

逆投影法…FBP(フーリエ変換、周波数領域での補正)やCBP(重畳積分:実空間領域での補正)などがある。フィルタはRamachandranフィルタ(ramp)やShepp and Loganフィルタ

光子数(N)の違いが統計変動(√N)の違いに影響する。これを補正するのが前処理

逐次近似法:MLEM法、OSEM法

散乱補正:Tcでは30~40%、Tlでは50%が散乱線。これが画像にも影響する。
コンプトン散乱と光電ピークのエネルギーが被っているせい。
コンプトンは散乱方向が確率的に変化するが、高いエネルギーに向かうほど確率は減るので、光電効果のエネルギー以上にはならない。光電ピークが下がれば、コンプトン散乱のカウントも落ちる。

従って、カウントの補正値は高いエネルギーになるほど、下げなければいけないが、全部一定にしてしまっているのがDEW法。ただ、PETでは散乱同時係数を減らすのに有効?

TEWSは前後のエネルギーのカウントで値を傾斜させてカウントを補正する。高いエネルギーに向かう程補正カウントが下がるように設定する。

 PETでは散乱線による位置変化(散乱同時計数)が画像にもろに影響するので、散乱補正は重要。コンボリューションとDEWSを用いる。

吸収補正 Sorenson法とChang法

Chang法は再構成後の画像に輪郭と減弱係数をもとに得られた補正値(計算補正マトリクス)をかける。Changの法がよい画像が得られるため、よく採用される。

核医学は、1ピクセルあたりの値を気にする。CTでは光子数が圧倒的に多い。

関心領域の設定

ROIは1ピクセルで見るのはおかしい。誤差の範囲が大きくなるから。CTでも10~20pixelでROIをとる。ゲートを設定する上で簡単にしきい値を越えてほしくないから。



<参考資料>
心臓核医学を理解しようーSPECTの再構成OSEM法についてー(放射線技術学会東北部会第47回学術大会)
核医学における画像処理 - 日本核医学技術学会 九州地方会
散乱線補正のポイント(倉敷中央病院)
イメージ技術の最前線(2010/09/30@RCNP研究会「RCNP における核医学プログラム展開の可能性」)

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