逐次近似法:OSEM法って機械学習に似ている

心臓核医学を理解しようーSPECTの再構成OSEM法についてー

先日、授業でも紹介されていたOSEMについて見ていきます。OSEM法とは、逐次近似法の手法の1つで、PETやSPECTのようにデータ収集に時間のかかる検査の時に使うとメリットがあると考えられる検査です。



Ordered Subset Expectation Maximization(OSEM)は、推定値の計算を繰り返し回し、データを分けてラフな推定をする方法。


全部の投影データに対して処理をかけるのでなく、投影データをいくつかの組(Subset)に分けて、推定計算を行う為、効率が良い。

これまで中心だったのが、MLEM(Maximum Likelihood Expectation Maximization)という方法だった。



MLEM(最尤推定法)
測定されたデータがポアソン分布に従っているとの仮定で統計学的手法によって、確率的に最も可能性の高い断層像を推定する方法。

全投影データに対して、推定値を考えるため、計算に手間がかかってしまう。

絵を全体から捉えて全てのパーツを一気に描き上げようとするより、少しずつ建物とか、人の形から風景を捉えて、整合性のとれた絵を描いていった方が負担がかからない。人の脳みそもコンピュータと同じで複雑な処理を一気にやろうとするより、小分けにした方が効率が良かったりする。これはPETやSPECTの画像生成時にも同様のことが言える。

メリットとしては、
FBPに比べ統計雑音によるS/N劣化が少ない
 特に高集積部位で顕著な放射状アーチファクト (ストリークアーチファクト)がない
というのがあるけれど、結局は推定値なので、何か違う環境要素が入った時に、思った通りの画像データが得られない可能性があるみたいです。

また、追記するかも。

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