RMS粒状度
画像系を客観評価する上での一つの指標となるのが粒状度であるが、粒状度は、画像を構成する様々な要素のばらつき(モトル)を示している。
一般X線撮影装置でフィルム撮影する場合、X線管から発生するX線のばらつき、増感紙に封入される蛍光物質のばらつき、X線フィルム内のハロゲン化銀のばらつきが考えられる。これにデジタルの場合は量子化モトルなどを考慮する。
図1:X線写真に関係するモトル
RMS(Root Mean Square)粒状度は、こうした画像系のモトルを、各点の濃度の標準偏差から求めたものである。例えば、平行光濃度計により露光フィルムの濃度をグラフ上の点にプロットし、そのばらつきを目盛りで読み取り確認する作業によって、RMS粒状度を調べることが出来る。
(2)RMS粒状度を決定する要素
一般写真の粒状性に影響する因子としては、感光材料のハロゲン化銀粒子サイズ、乳剤膜の厚さ、現像処方、現像時間などが挙げられる。また、画像の濃度によっても粒状の現れ方が異なり、比較的低濃度領域において特に粒状が目立ち易いことが認められる。以下に模式図を示す。
図2:低濃度と高濃度における濃度のばらつき度合い(筆者作成)
mAs値の変化によって濃度が変化する場合、X線量子モトルが変化する。
つまり、X線管内の熱電子の数が増えれば、それだけ増感紙と反応するX線束が増える。(点の少ない点描画の方がざらついて見える。)
RMS粒状度は下記のような式で求めることが出来る。
RMS粒状度は測定値の集団のバラツキを示しており、分散の平方根によって示される。
<参考文献>
大松秀樹ら編「放射線写真学」第10版,富士フィルムメディカル株式会社,2014.3,p.190~204
新潟大学医学部保健学科・大学院保健科研究科HP「4.WSの測定」
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