MTF測定:Image Jを用いて矩形波チャートのjpeg画像のMTFについて調べる。

MTFはカメラの性能評価としても使われます。いかに再現性の高い画像を得ることが出来るかは、各社がレンズの性能とか写真の現像処理の正確さで争っています。細かい部分まで変調が少なければ、いい写真が撮れるレンズやカメラだと言えます。

X線写真でも解像特性を調べる為にMTFが用いられます。X線写真の場合、レンズは無く、X線入力側(X線管)の変調と、X線出力側(フィルム、画像系)の変調が要因で、画像に実際の身体の構造とのズレが生じます。

これが、細かい部分に至るまで正確に示されれば、MTFの値が高く性能が良いと考えられます。

これを示したものがX線写真のMTFになるのです。
出典:新潟大学医学部保健科
しかし、最近ではFPDやCRを用いたデジタル画像を用いることが多いので、PC側でそれがどこまで出来るのか調べてみたいと思います。


こちらは、インターネットで拾ってきた矩形波チャートの画像です。これをImage Jで開きます。

※Image Jとはオープンソースで公開されている画像解析のソフトウェアのことです。お手持ちのパソコンでダウンロードすれば、すぐに起動出来ます。私はミーハーなので、Fijiというもうちょっとかっこよさそうなものを使おうと思います。


こんな感じで開くことが出来ます。B&Cはあとで説明します。

メニュー内のImage->Adjust->Bright&Contrast を選択すると、これが出てきます。


横に動くグレーのカーソルがあるので、それを左右に動かしてみて下さい。そうすると矩形波チャートのコントラストが変わります。ちなみにWindow/Levelというのもありますが、基本Bright&Contrastとおなじです。要はCTのコントラストスケールを意識しているんだと思います。


適当なところでチャートの一部を選択してみて下さい。選択された状態で、File->Save as->Text Imageでテキストデータとして保存しましょう。「~.txt」と書かれているのが、保存されたデータです。

これをExcelで開きます。

こんな感じのデータが開かれます。高い値と低い値が交互に来ていると思いますが、これがチャートの白と黒の部分です。200とかいう値になっているのは、コントラストスケールを255~0で表しているからです。
よく見ると、チャートの模様が見えます。

これらの中で一つ行を選んでみて下さい。


こんな形になりました。


因みにX線写真の濃度を濃度計で調べても同じような形になります。アナログの方が細かい部分まで描出されているのは、デジタルの方が圧縮されたりして、細かい部分がつぶれているのかも知れません。プリサンプリングMTFという要素が関わっていると思うのですが、これはまた別途記事を作るかも知れません。

参考資料:
MTFの測定(新潟大学医学部保健科HP)
矩形波チャートを用いたプリサンプリングMTFの測定(JSRT東北部会)

コメント

  1. MTF自体はこのあとまた複雑な計算があるので、これだけではMTFは分からないです。済みません。

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