アナログ写真の定着・水洗

これ元ネタを書いたのは去年の今頃だけど、国試にも数少ないけど出る可能性はあるから、復習しないとなあ。

現像過程を終了し、画像として固定させる為に、定着・水洗を行う。

<停止>
現像を定着させる前に停止の段階がある。現像の進行を適切な時間で停止させる為に酸性液によって処理する。(現在酸性液は使われておらず、自動現像機で、定着液が停止を兼ねている。)

現像の際はアルカリ溶液による還元反応が行われていたが、定着の場合は酸性液である。

<定着>
定着は還元した金属銀画像を固定する作用である。
定着液は乳剤層中に未現像のまま残っているハロゲン化銀粒子を溶かし出す作用を持っている。定着液は手動現像の際に用いる酸性硬膜定着液と硬膜剤を含まない酸性定着液がある。カラーや特殊写真では、定着主薬だけの単定着液が使われる。

・定着液の組成…定着主薬と助剤(保恒剤・酸性剤・緩衝剤・硬膜剤・溶媒・その他)
種類的には、現像主薬と結構似ている。

①定着主薬(fixing agent):チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、チオ硫酸アンモニウム((NH4)2S2O3)
…ハロゲン化銀をよく溶かす性質がある。毒性がなく、安定した化学物質で扱い易く保存性もよい。


②保恒剤(preservative):亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3
…定着主液の分解を抑えて、液を長持ちさせる。

③酸性剤(acid):酢酸(クエン酸・酒石酸)・酢酸ナトリウム
…現像を確実に停止する。現像ムラや二色カブリなどを防止。液を弱酸性の一定pH領域に保つ。

④緩衝剤(buffering agent):ホウ酸(H3BO3)メタホウ酸ナトリウム(NaBO2・2HO)
…液のpH変化を抑える。酸性剤だけでpHを適正な範囲に保つのは困難なので、緩衝剤で調整する。

⑤硬膜剤(hardening agent / hardener)
…フィルムのゼラチン膜を硬化して、後の水洗での膨潤・軟化を抑え、膜面に傷を付けにくくし、乾燥を早める。

⑥溶媒(solvent)
一般に水が用いられ、出来るだけ不純物がないことが望ましい。

調合の方法

<水洗/乾燥>

<保管>
低温低湿:20℃以下、相対湿度30〜40%

※一浴現像定着処理



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