I.I(イメージ・インテンシファイアー)について

I.I(Image Intensifier)は、入射光子を出力蛍光面に集束させて、潜像の輝度を強調させることが目的の機器です。国試にもわりと頻出で出てきます。




入射面に入った光子が蛍光面で光電効果をおこし、光電子を発生します。その光電子の電子ビームを電極電圧で加速させて、出力蛍光面で光として抽出します。電極電圧の変化によって視野を変更することも出来ます。(可変視野管)

入射面:CsI・Naで構成されており、柱状構造で横方向への散乱を防ぎ、画像のひずみをなくします。

光電電極:電子ビームを加速させる。25~30kV程度の高電圧を印加。

出力面:ZnS(CdS)…そういえば、放射線標識化合物の化学沈殿でH2Sを付加すると出て来るのもこれでしたね。

輝度:(像の拡大率の逆数)^2×陽極電圧…これ分かり辛いのですが、要は、出力面の方が小さいから面積が狭くなる分だけ輝度も大きくなるよ。ということです。狭いところに光を集めているので。


変換係数:Gx=L(cd/m2)/K(μGy/s)…入射光子の相互作用で起こった二次電子に対し、出力像の輝度がどれくらいになるのかを示しています。

これを用いて透視を主に行います。

I.Iを使ったデジタル透視はI.I.D.R(I.I-TV式Digital Radiograph)と呼ばれます。
I.I.D.Rの場合は、CCD、AD変換回路を用いて電気信号→デジタル信号に変換しています。

I.Iは入射窓のひずみが出力画像のゆがみに影響してしまいますが、最近では、FPDを介せばI.Iを使わなくても、信号変換が出来るのでそちらの方が精度が高いです。

<参考>
X線TVの搬入・搬出を見学しました

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