撮影部位:頭頸部・タウン法
若干OMLineのとりかたが悪く錐体・後頭孔が散乱コントラストで少なくなってしまった。 |
タウン法(Towne View)
体位:背臥位。OMLineの30°上方からアゴを十分に引く。内耳道の場合のみ25°
中心線:正中矢状面
描出される部位:弓状隆起、鞍背、大後頭孔、外耳道、錐体、下顎頭、蝶形骨洞
解説:後頭部に衝撃を受けた場合タウン法をとる。ちょうど、頭蓋底が画像として描出される。
Image Jで若干散乱コントラストを除去。システム感度を低く、グラディエントを高くして、Brightness&Contrastの範囲を狭くした。 |
正中矢状面にそった骨折は、鼻中隔と重なっていると確認することが出来ない。また、側面像でも接線になってしまい見ることが出来ない。その為、斜め上方から撮影することで、頭蓋底骨折を確認することが出来る。この部分で出血や骨折があれば、辺縁の変化、骨の移動があり分かる。
錐体先端部の破壊や内耳道周辺の破壊は骨折。静脈血管溝の拡大は静脈還流の障害であると考えられる。
このように頭蓋骨骨折、錐体部上縁/先端の状況、後床突起の形状を見ることが出来る。
因みに頭蓋骨骨折は冠状縫合・矢状縫合・鱗状縫合の3つの順番に確認し、縫合離開骨折の有無を確認することが必要だ。
冠状縫合は外板・板間層・内板の構造になっている。いずれの縫合も3mm以上のずれは異常だと考えられる。
<筆者が考えてみたケーススタディ>
交通事故で後頭部を強打した患者さんがいた。その場では何ともなかったけど、病院でタウン法で撮影してみたところ、内耳道の周辺がしきい値以上のずれが見られ、静脈血管溝も拡大していて、頭蓋内出血している可能性があるので、救急CTに移行することになった。
(追記・編集の可能性あり)
コメント
コメントを投稿