診療画像機器工学実験レポート(X線一般装置の解像力)
専門学校は職業訓練校です。なので、大学より1年短い3年という期間の間に様々なカリキュラムを詰め込んでいきます。実験も大変です。
実験の目的は、アナログとデジタルの違いを理解し、CRのシステムを理解することです。
例えば、アナログの場合は、階調度やコントラストを示す特性曲線はまいどまいどの撮影によって異なります。
(拡散光濃度計or平行光濃度計を用いる。平行光は平行な光しかキャッチしないが、拡散光は2π方向の光を検出するので、光の逆数である濃度で考えると平行光濃度の方が高い:キャリア係数>1)
一方、デジタルは、システム側によって感度(S値)を編集することが出来るため、撮影後に修正を加えることが出来るため、ほぼ同じような可視画像を得ることが出来ますが、アナログが持つ連続性をもったデータを離散データに変換するので、その際に読影に必要なわずかな差(コントラスト)を失っていないかどうかは気をつけなくては行けません。
夏休み前には、X線一般撮影装置の解像力を測る実験を行いました。スターパターン、スリットカメラなどを活用して、焦点サイズによって装置の解像力がどう変化していくのか調べます。
具体的にどんなことをするのか。。話すと長いんですが、詳しくはこちらです。。(早く考察書かないと。。!)
<実験>
夏休み前には、X線一般撮影装置の解像力を測る実験を行いました。スターパターン、スリットカメラなどを活用して、焦点サイズによって装置の解像力がどう変化していくのか調べます。
具体的にどんなことをするのか。。話すと長いんですが、詳しくはこちらです。。(早く考察書かないと。。!)
<実験>
本実験は、3つの方法により焦点サイズを測定し、一般X線撮影装置のX線分布と解像力について考察する。ここで、以下の仮説を立てる。
①
X線分布は、その発生装置の構造から一定の広がりを持つ為、ある周波成分において分解能が小さくなる。
②
X線撮影装置の性能規格においてX線の広がりが許容出来る範囲がある程度決まっており、焦点の大きさが決まっている。
2. 実験原理
X線発生装置は、陰極に熱電子を発生させ、高電圧をかけることにより、陰極から陽極へ加速させ、陽極ターゲット物質に衝突させることで制動X線を発生させる装置である。
この熱電子を衝突させる範囲により、発生するX線の広がりも変化するが、お互いの熱電子が負の電荷によって広がりを持ってしまうと発生するX線も広がってしまい、画像の空間分解能を下げることになる為、避けなければいけない。
(問題を掘り下げる)
熱電子の分布には幅の広がりと長さの広がりがある。幅の広がりは集束電極により陽極の焦点範囲にまで限定され、熱電子の衝突範囲と分布(正焦点、副焦点)を決定する。
そこで、画像システムを用いて、その分解能を測定することによって、X線焦点サイズを調べ、発生原理を調べることにより、X線発生装置の解像力が十分な性能を持つかどうかを調べる。空間分解能に優れるX線装置は、細かい病変を特定出来、診断能が向上するので、この実験は重要である。
では、具体的にどのような方法で解像力を調べればよいか? JISが規定する測定法において、ピンホール法、スリットカメラ法、解像力(スターパターン)法がある。これらの方法によって、X線管の焦点の大きさを測定する。以下にその方法を示す。
①ピンホール法
30μmの穴にX線を通し、そのX線束の広がりによって焦点サイズを調べる。
②スリットカメラ法
焦点のMTF(Modulation Transfer Function)を測定する時にのみ使う。
スリットカメラは、X線の幅を見る為に、
③解像力法
X線管の焦点にまっすぐ当たるかどうかの性能を調べる。その性能はブルーミング値で求めることが出来る。
これらを踏まえた上で以下に示すような実験を行った。
3.実験方法
アライメントビーズを用いてX線束の中心を設定する。50kV 100mA 250ms
次に、ピンホールカメラを用いて、拡大率を求め、小焦点と大焦点の幅と長さを求め、小焦点と大焦点におけるX線の検出範囲(幅方向と長さ方向)の違いを調べる。
次に、スリットカメラを管軸に対して平行、または垂直に設定し、小焦点、大焦点それぞれにおいて撮影を行う。撮影により得られた画像の幅方向の濃度曲線をもとにしてX線束の分布を調べ、陽極において発生した熱電子の分布を調べる。
最後に、スターパターンを用いて、その投影像からX線の解像力(LP/mm)を測定し、最も鮮鋭度の悪い部分(ぼけのある部分)の幅と広がりをもって焦点サイズを求める。
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