乳房撮影MMG

胸部撮影の中で、乳房撮影は国策として進められている。乳がんは、リンパ行性転移がし易く、すぐに悪化する可能性を持っているが、早期発見によって予後が良好になる(5〜10年の間の生存率が高い)。

その為、病院等でも検診認定が個人または施設単位で認定されていて、資格もある。
(あまり男性が撮影する機会は無いみたい)

<撮影原理>
撮影は低電圧、ターゲット−フィルタはMo-Mo.授乳中などで若い女性で乳腺が発達している(いわゆる堅い乳房)の人は、Mo-Rhで撮影することによって、高エネルギー部分を撮影に利用する方法もある。

ちょうどフィルタのK吸収端が19~20keVのあたりにあり、その付近のエネルギーのX線を曝射することが出来る。

K吸収端とは、光電効果でL殻から外の軌道電子を電離させていた光子のエネルギーが、K殻の結合エネルギーより大きくなった時に再び吸収割合が大きくなる現象を端的に示している。

このK吸収端のエネルギーを利用して、ターゲットのK殻を電離させた時に発生する特性X線のエネルギーだけを取り出すことが出来る。

そして、被験者の水透過組織(乳腺組織、結合組織:Z=7.42)と、脂肪組織(Z=5.8~6.02)の間のコントラストを低エネルギーによってコントラストを大きくすることが出来る。

マンモグラフィーの撮影時、挟む力は、日本乳房学会の指定では120N、IEC,NEMAの指定では150N、JISでは200Nの力までと指定されている。

撮影方向は、CC(Cranio-Caudal:頭尾方向)、ML(Medio-Lateral:内外方向)、MLO(Medio-Lateral Oblique:内外斜位方向)が主であり、入射側から見る。

乳房の画像から石灰化(Calcification)を見ること。0.1ミリの石灰化を画像化しなければいけない。

MMG以外には、色素とRIを使って、腋窩リンパ節の染色を使った特定方法や、PET-CT(Positron Emission)により、全身の転移を確認する為の診断撮影がある。

以前参加した乳房撮影の勉強会でも色々ためになる話が聞けました。今見返してもなるほどと思うことが沢山あります。こちらも是非

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