X線写真の撮影原理①【X線が出来て、被検者を透過するまで】

光や電磁波などを被験者に照射、返ってきた二次信号をフィルムやイメージングプレートなどの被写体に検出させて、アナログ・デジタルいずれかの形で画像にする。
wikipediaより成人男性の胸部写真

アナログの場合は、フィルム内に広く分布するハロゲン化銀と光電子の化学反応により、
潜像を形成するため、物質的な要素が多いが、デジタルの場合は返ってきた二次信号に対して演算処理を行う。

先日お邪魔したAZE展を見る限りだとデジタルによる画像編集技術が非常に発展してきており、ぶっちゃけコンピューターが使えないと仕事にならない、話にならないという話を伺った。

それでも、やっぱり「手書きの絵が下手な人がいきなりデジタルで絵を描こうとするとやっぱり下手」というのと同じで、その人の本質的な技量はいかに線量を的確に設定し、必要な撮像条件を確保して撮影出来るかというところにあるので、アナログ写真の知識は欠かせない。

写真に用いるX線量を規定するのは、①どれだけの熱電子がフィラメントから放出されているか②その熱電子が陽極に衝突してどれだけクーロン力で制動されるか③産生された制動X線が被験者に照射されてどんな風に減弱するか

にかかっている。

①には、X線管にかかる管電圧、熱電子量の基準となる管電流
②には、制動する陽極の原子の種類(原子番号Z):内殻電子数が多い程よく、W(タングステン)が主に用いられ、MMG(マンモグラフィー)の場合は、Mo(モリブテン)がよく用いられる。
③には、被験者の身体の大きさ、特徴によって決まる。

③は特に、 I=I0e^-μd(I:透過X線のエネルギー I0 入射X線のエネルギー μ:線源弱係数 d:物質の厚さ)の式で規定される。




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