内科学のはじめ

人間は様々な外的ストレスを受けて生きている。環境変化や体内への物質流入等、様々な外的要因が身体に影響を与えており、それらを加味しながら、個体レベルで恒常性(ホメオスタシス)の維持を行っている。

そして、個体の最小単位の活動は細胞が担う。全ての細胞は他の全ての細胞に由来している(Omnic Cellua)とウィルヒョー(R.Virchow)はのべ、細胞病理学の基礎を作った。ウィルヒョーが述べた血管障害の3要素として血管壁の障害、血流のうっ滞、血液性状の変化が挙げられる。

身体が受ける環境要因には内部環境と外部環境があり、内部環境は個体が恒常性を維持するため、調節、変更し治すことが出来る。

外部環境による一般的なストレスは主に3つの形で身体に現れる。副腎肥大、胸腺退縮(involution)、胃・十二指腸への潰瘍である(例:ロキソニンなどのNSAIDS:非ステロイド系抗炎症剤を飲むと粘膜の分泌を抑えてしまい、胃腸組織へのダメージを与える)

外的ストレスに対する身体の反応は汎適応症候群(general adaptation syndrome:GAS)と呼ばれる形で現れる。(参考ページ:「メンタルヘルス対策のカウンセリング・ストリート」)その初期では、身体がストレスに対して警戒反応(fight or flight)、抵抗期、疲弊期に分かれる。警戒反応初期では、副腎皮質の働き、交感神経の働き、副腎カテコールアミンの働きが亢進し、抵抗期では正常状態とほぼ同じ均衡状態が保たれるが、やがて、恒常性が崩れて、それぞれの働きが低下して死に至る。

これは例えば冬に雪山で遭難したような時を考えると分かり易いかもしれない。山で遭難したある少女は顔面蒼白で胃に潰瘍が出来ていたらしい。

体内の恒常性を保つ働きとして内分泌系、神経系、免疫系の3つの存在がある(ホメオスタシスの三角形)それぞれホルモン、神経伝達物質、サイトカインによって相互連絡し、体内の調整を行っている。

脳神経系が司る部分は感覚器から情報を知覚し、脳や脊髄へ伝達し(afferent:求心性)、運動器へ指示を伝える(efferent遠心性)

ベルグソンいわく、体性神経の刺激が自律神経の刺激、自律神経の反応が体性神経運動となり、骨格筋へとつながる。

自律神経は主に内臓器と密接な関連を持っており、タンパク質の同化、異化も自律神経の交感神経と副交感神経が関連している。

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