生活保護について
生活保護法は1950年に制定された法律で、福祉6法の一つである。日本における公的扶助の仕組みをとりきめている。
その1条に目的が書かれており、
「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対しその困窮の程度に応じ、必要な保護を行いその最低限度の生活を保障するとともにその自立を助長することを目的とする」としている。
日本国憲法の第25条において「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する国は、全ての生活部面において社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」という社会権の提唱をしており、貧困者を政策により救う必要があるという考えをもっている。これにはT/Hマーシャルの社会権、生存権の考え方も絡んでいる。
社会保険があくまで保険料を拠出し社会全体のリスク回避の為に準備資金を集める事前的防貧対策であるのに対し、公的扶助は身寄りの無い貧しい人々に対して公費で生活を補助する事後的防貧対策である。
ここで定義される貧困・低所得とは、
低所得とは、所得(=収入ー必要経費)が相対的に低い状態であり、低所得によって、生活水準を落としている人々を総じて低所得層とよぶ。
貧困とは、所得+資産が十分でない状態であり、最低水準以下の生活を送っているのが、
貧困層と捉えられる。
何故、貧困や低所得が問題になるのか、というと、いつ首をきられるか分からない不安定雇用のもと、低賃金で働かされる劣悪な環境で働いていること、そして、賃金が低い為に、期待する消費をまかなうほど所得が十分になく、一家を養えないことで家族関係を破綻させるなど、生活が困窮してしまうこと、ひいては精神的にも肉体的にも荒廃してしまい、最低限度の社会的生活を営むことが出来ないからである。
そこで、1人では貧困から抜け出せない人々の為に、最低限度の社会的生活を送り、自立出来るようにする為に公的サービスの現物支給や、現金補助を行うのが生活保護の目的である。
生活保護の実施については、4つの基本原理、と4つの実施原則がある。
日本の生活保護の基本原理
①国の責任で、(国家責任による最低生活保障)②要件を満たしていれば誰でも(保護請求権無差別平等)、③健康で文化的な生活を送れる。(健康で文化的な最低生活保障の原理)④ただし、不足しているものだけだよ!(保護の補足性)
日本の生活保護の実施原則
①まずは申請しなさい(申請保護の原則)②レベルにより基準額が決まってますから(基準及び程度の原則)③必要に応じてもらってください(必要即応の原則)④ただし、世帯単位ですよ(世帯単位の原則)
日本の場合は、8種類の扶助がある。(生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)これらの扶助を一つだけ(単給)あるいはいくつか組み合わせて(併給)受けることが出来る。ただし、事前に申請しなければいけない。(申請保護の法則)
生活保護制度(厚生労働省HP)より制度の趣旨と条件、内容について見てみる。
生活保護の給付額も決められている。
最低生活費=A+B+C
A:生活扶助基準(第1類+第2類)①の2/3+②の1/3(約50000~60000)
B:特別な条件につき加算額付与(約20000)
C:必要に応じた住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助など
生活保護制度によって保障される最適生活水準として認定される基準が定められており、
時代を追うごとに変遷をとげていた。
現在の生活保護制度においては、住んでいる場所に沿って級地が定められている。保護費として、国が全体の3/4、都道府県、指定都市、中核市、市及び福祉事務所を設置している市町村が1/4を負担することになっている。
A:生活補助は、日常生活の需要を満たす要素と移転、入退去の為の費用であり、原則として現金給付である。
経常的最低生活費がそのうちのメインで、飲食物の費用や被服費などの個人的経費(第1類費)と水光熱費や家具などの世帯間共通の経費(第2類費)に分かれている。
B:Aに上積みされる部分。
妊産婦加算、母子加算、児童養育加算、障害者加算、住宅患者加算、放射線障害者加算、介護施設入所加算、介護保険料加算(入学準備金、配電設備、水道設備など)
C:併給されるもの:教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助(青は現物給付)
こうして給付された扶助は正当な理由が無ければ変更されないし、(不利益変更の禁止)課税されないし、(公課禁止)差し押さえられることは無い(差押禁止)。
ただし、他人に譲渡は出来ないし、(譲渡禁止)常に節制し勤労に励まなければいけないし(生活上の義務)、福祉事務所が行う生活指導に従わなければいけない(指示等に従う義務)。また、収入、支出が増えたり減ったりした、または、居住地もしくは世帯の構成に異動があった場合には速やかに福祉事務局長にその旨を届け出する必要がある。(指示などに従う義務)
また、扶助された者も、お金(資力)があるのに給付を受けていたり、届け出をきちんとしていなかったり、扶養者が扶養能力を持っているのにしなかった場合は、返還・徴収される。
生活保護のプロセスとしては、受付→申請調査(資力調査:ミーンズテスト)→要否判定→決定→支給(変更・停止)→廃止という過程を辿る。
保護開始、申請却下、保護停止、廃止等の決定に不服がある場合は、都道府県知事に対し審査請求とさらに厚生労働大臣に再審請求の2段階の不服申し立てが出来る。
その1条に目的が書かれており、
「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対しその困窮の程度に応じ、必要な保護を行いその最低限度の生活を保障するとともにその自立を助長することを目的とする」としている。
日本国憲法の第25条において「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する国は、全ての生活部面において社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」という社会権の提唱をしており、貧困者を政策により救う必要があるという考えをもっている。これにはT/Hマーシャルの社会権、生存権の考え方も絡んでいる。
社会保険があくまで保険料を拠出し社会全体のリスク回避の為に準備資金を集める事前的防貧対策であるのに対し、公的扶助は身寄りの無い貧しい人々に対して公費で生活を補助する事後的防貧対策である。
ここで定義される貧困・低所得とは、
低所得とは、所得(=収入ー必要経費)が相対的に低い状態であり、低所得によって、生活水準を落としている人々を総じて低所得層とよぶ。
貧困とは、所得+資産が十分でない状態であり、最低水準以下の生活を送っているのが、
貧困層と捉えられる。
何故、貧困や低所得が問題になるのか、というと、いつ首をきられるか分からない不安定雇用のもと、低賃金で働かされる劣悪な環境で働いていること、そして、賃金が低い為に、期待する消費をまかなうほど所得が十分になく、一家を養えないことで家族関係を破綻させるなど、生活が困窮してしまうこと、ひいては精神的にも肉体的にも荒廃してしまい、最低限度の社会的生活を営むことが出来ないからである。
そこで、1人では貧困から抜け出せない人々の為に、最低限度の社会的生活を送り、自立出来るようにする為に公的サービスの現物支給や、現金補助を行うのが生活保護の目的である。
生活保護の実施については、4つの基本原理、と4つの実施原則がある。
日本の生活保護の基本原理
①国の責任で、(国家責任による最低生活保障)②要件を満たしていれば誰でも(保護請求権無差別平等)、③健康で文化的な生活を送れる。(健康で文化的な最低生活保障の原理)④ただし、不足しているものだけだよ!(保護の補足性)
日本の生活保護の実施原則
①まずは申請しなさい(申請保護の原則)②レベルにより基準額が決まってますから(基準及び程度の原則)③必要に応じてもらってください(必要即応の原則)④ただし、世帯単位ですよ(世帯単位の原則)
日本の場合は、8種類の扶助がある。(生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)これらの扶助を一つだけ(単給)あるいはいくつか組み合わせて(併給)受けることが出来る。ただし、事前に申請しなければいけない。(申請保護の法則)
生活保護制度(厚生労働省HP)より制度の趣旨と条件、内容について見てみる。
厚生労働省HPより |
生活保護を受けるための要件及び生活保護の内容
保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
資産の活用とは
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください。
能力の活用とは
働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
あらゆるものの活用とは
年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。
扶養義務者の扶養とは
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。
…つまり身よりもなく、年金・手当等も受けられず、資産も無い人が対象になる、、ということがここには書かれている。
最低生活費=A+B+C
A:生活扶助基準(第1類+第2類)①の2/3+②の1/3(約50000~60000)
B:特別な条件につき加算額付与(約20000)
C:必要に応じた住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助など
生活保護制度によって保障される最適生活水準として認定される基準が定められており、
時代を追うごとに変遷をとげていた。
現在の生活保護制度においては、住んでいる場所に沿って級地が定められている。保護費として、国が全体の3/4、都道府県、指定都市、中核市、市及び福祉事務所を設置している市町村が1/4を負担することになっている。
A:生活補助は、日常生活の需要を満たす要素と移転、入退去の為の費用であり、原則として現金給付である。
経常的最低生活費がそのうちのメインで、飲食物の費用や被服費などの個人的経費(第1類費)と水光熱費や家具などの世帯間共通の経費(第2類費)に分かれている。
B:Aに上積みされる部分。
妊産婦加算、母子加算、児童養育加算、障害者加算、住宅患者加算、放射線障害者加算、介護施設入所加算、介護保険料加算(入学準備金、配電設備、水道設備など)
C:併給されるもの:教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助(青は現物給付)
こうして給付された扶助は正当な理由が無ければ変更されないし、(不利益変更の禁止)課税されないし、(公課禁止)差し押さえられることは無い(差押禁止)。
ただし、他人に譲渡は出来ないし、(譲渡禁止)常に節制し勤労に励まなければいけないし(生活上の義務)、福祉事務所が行う生活指導に従わなければいけない(指示等に従う義務)。また、収入、支出が増えたり減ったりした、または、居住地もしくは世帯の構成に異動があった場合には速やかに福祉事務局長にその旨を届け出する必要がある。(指示などに従う義務)
また、扶助された者も、お金(資力)があるのに給付を受けていたり、届け出をきちんとしていなかったり、扶養者が扶養能力を持っているのにしなかった場合は、返還・徴収される。
生活保護のプロセスとしては、受付→申請調査(資力調査:ミーンズテスト)→要否判定→決定→支給(変更・停止)→廃止という過程を辿る。
保護開始、申請却下、保護停止、廃止等の決定に不服がある場合は、都道府県知事に対し審査請求とさらに厚生労働大臣に再審請求の2段階の不服申し立てが出来る。
コメント
コメントを投稿