呼吸器系
<呼吸器系の仕組み>
呼吸しない人間がいるだろうか。人間の場合、生体が生命を維持する為には酸素が必要である。
この酸素を生体内あるいは組織内に取り入れることで、その酸素を利用して物質代謝を行うことが出来る。ただし、その結果生じた二酸化炭素を生体外あるいは組織外に排出しなければならない。この一連の機能のことを呼吸という。
外気と血液との間のガス交換を外呼吸、血液と細胞との間のガス交換を内呼吸という。
身体全身へ酸素を送り出す為に、血液中に含まれる赤血球が働く。血中溶解酸素はほとんど無く、赤血球内のヘモグロビンが酸素と結合している。
HbとO2は酸素分圧によって結合割合が左右され、分圧が高い程、O2と結合したHb(HbO2)が増える。そして、身体の各組織では、酸素分圧が低くCO2分圧が高い為、ヘモグロビンと酸素が分離し、組織に酸素が供給される。(内呼吸)
よく検査に用いられるHb1Acという項目は、高血糖の個体の血中ブドウ糖がHbと結合して出来たグリコヘモグロビンの一つで糖尿病と密接な関係があるので、調べられることが多い。
ここで、酸素分圧が高いと、血中溶解酸素の量も増えるため、これを利用してタバコなどで呼吸器系を悪くしてしまった人の為に高気圧酸素療法が行われている。
動脈血中の酸素量が20ml/dlであるのにたいし、静脈血中の酸素量は15ml/dlであるので、血液1dlあたり5mlの酸素が組織に供給されていることが分かる。
また、Henderson-Hasselbalchの法則により、以下のように血中pHを求めることが出来る。
KA=[H+][HCO3-]/[H2CO3]=[H+][HCO3-]/[CO2d+H2CO3]
=logH+log[HCO3-]/[CO2d+H2CO3] ・・・①
CO2とH2CO3の濃度比は800:1でH2CO3の濃度は無視出来る程小さいので、
PCO2∝[CO2d+H2CO3](CO2濃度はほぼCO2+H2CO3の濃度と比例する)
①式より、-log[H+]=-log[KA]+log[HCO3-]/[CO2d+H2CO3]
pH=6.1+[HCO3-]/0.03PCO2=腎機能/肺機能
つまり、腎機能が低下すると重炭酸イオンがたまりpHが増し、代謝性アルカローシスとなり、肺機能が低下するとCO2濃度が増すため、分母が増え、呼吸性アシドーシスとなる。
<小循環(肺循環)>
右心室から肺動脈を経由して肺に流れ込んだ静脈血がガス交換によってCO2を排出し、O2を吸収して動脈血となり肺静脈を経由して左心房に返ってくる一連の循環のことを小循環(肺循環)と呼ぶ。
これは、左心室から大動脈を経由して身体全体に血を送り出し、全身から上下大静脈を経由して戻ってくる一連の循環を大循環と呼んでいるのと比較している。
<咽頭・喉頭・鼻腔>
人間が酸素を体内に取り入れる入口として大きくは鼻と口である。皮膚呼吸ももちろん行っているが、鼻と口を抑えると苦しくなるように、鼻呼吸と口呼吸が重要であることは分かるだろう。
この外気と肺との間のガスの通り道のことを気道といい、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支によって構成される。
肺へ酸素を送る時、鼻の場合は鼻腔を経由して、咽頭、喉頭を通って気管支へ流入する。肺は胸郭の中におさまっており、呼吸運動の際に胸筋が運動することで呼吸を助ける。
鼻腔は、上中下鼻甲介という薄い骨が側壁側から突出しており、これにより鼻腔内の通路が上中下鼻道に分かれている。鼻腔の狭い構造は熱と温度を逃がさない役目を果たしている。
因みにいわゆる風邪でせきをするのは急性上気道炎であり、これが進行すると気管支炎となり、さらに進行すると肺炎となる。
<気管と気管支>
気管は膜様部とU字型の軟骨部で構成されており、軟骨部は固い組織で守られているが、膜様部は、簡単に傷つき穴が空き易くなっている。
<肺胞・サーファクタント>
気管支が23回分岐することで、肺胞へ辿り着く。
<前葉・中葉・後葉>
肺は左右に分かれており、右の肺は前葉・中葉・後葉に、左の肺は前葉・後葉に分かれている。右肺は10区域にわかれ、左肺は8区域にわかれる。
左肺の方が少ないのは、心臓の入るスペースの分、左肺はその裏に回るようになっているからだ。左肺のベロのように突出している部分を舌区と呼び、上舌区、下舌区に分かれている。この部分はよく炎症を起こすと言われている。(中葉舌区症候群)
呼吸しない人間がいるだろうか。人間の場合、生体が生命を維持する為には酸素が必要である。
この酸素を生体内あるいは組織内に取り入れることで、その酸素を利用して物質代謝を行うことが出来る。ただし、その結果生じた二酸化炭素を生体外あるいは組織外に排出しなければならない。この一連の機能のことを呼吸という。
外気と血液との間のガス交換を外呼吸、血液と細胞との間のガス交換を内呼吸という。
身体全身へ酸素を送り出す為に、血液中に含まれる赤血球が働く。血中溶解酸素はほとんど無く、赤血球内のヘモグロビンが酸素と結合している。
HbとO2は酸素分圧によって結合割合が左右され、分圧が高い程、O2と結合したHb(HbO2)が増える。そして、身体の各組織では、酸素分圧が低くCO2分圧が高い為、ヘモグロビンと酸素が分離し、組織に酸素が供給される。(内呼吸)
よく検査に用いられるHb1Acという項目は、高血糖の個体の血中ブドウ糖がHbと結合して出来たグリコヘモグロビンの一つで糖尿病と密接な関係があるので、調べられることが多い。
ここで、酸素分圧が高いと、血中溶解酸素の量も増えるため、これを利用してタバコなどで呼吸器系を悪くしてしまった人の為に高気圧酸素療法が行われている。
動脈血中の酸素量が20ml/dlであるのにたいし、静脈血中の酸素量は15ml/dlであるので、血液1dlあたり5mlの酸素が組織に供給されていることが分かる。
また、Henderson-Hasselbalchの法則により、以下のように血中pHを求めることが出来る。
KA=[H+][HCO3-]/[H2CO3]=[H+][HCO3-]/[CO2d+H2CO3]
=logH+log[HCO3-]/[CO2d+H2CO3] ・・・①
CO2とH2CO3の濃度比は800:1でH2CO3の濃度は無視出来る程小さいので、
PCO2∝[CO2d+H2CO3](CO2濃度はほぼCO2+H2CO3の濃度と比例する)
①式より、-log[H+]=-log[KA]+log[HCO3-]/[CO2d+H2CO3]
pH=6.1+[HCO3-]/0.03PCO2=腎機能/肺機能
つまり、腎機能が低下すると重炭酸イオンがたまりpHが増し、代謝性アルカローシスとなり、肺機能が低下するとCO2濃度が増すため、分母が増え、呼吸性アシドーシスとなる。
<小循環(肺循環)>
右心室から肺動脈を経由して肺に流れ込んだ静脈血がガス交換によってCO2を排出し、O2を吸収して動脈血となり肺静脈を経由して左心房に返ってくる一連の循環のことを小循環(肺循環)と呼ぶ。
これは、左心室から大動脈を経由して身体全体に血を送り出し、全身から上下大静脈を経由して戻ってくる一連の循環を大循環と呼んでいるのと比較している。
<咽頭・喉頭・鼻腔>
人間が酸素を体内に取り入れる入口として大きくは鼻と口である。皮膚呼吸ももちろん行っているが、鼻と口を抑えると苦しくなるように、鼻呼吸と口呼吸が重要であることは分かるだろう。
この外気と肺との間のガスの通り道のことを気道といい、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支によって構成される。
肺へ酸素を送る時、鼻の場合は鼻腔を経由して、咽頭、喉頭を通って気管支へ流入する。肺は胸郭の中におさまっており、呼吸運動の際に胸筋が運動することで呼吸を助ける。
鼻腔は、上中下鼻甲介という薄い骨が側壁側から突出しており、これにより鼻腔内の通路が上中下鼻道に分かれている。鼻腔の狭い構造は熱と温度を逃がさない役目を果たしている。
因みにいわゆる風邪でせきをするのは急性上気道炎であり、これが進行すると気管支炎となり、さらに進行すると肺炎となる。
<気管と気管支>
気管は膜様部とU字型の軟骨部で構成されており、軟骨部は固い組織で守られているが、膜様部は、簡単に傷つき穴が空き易くなっている。
<肺胞・サーファクタント>
気管支が23回分岐することで、肺胞へ辿り着く。
<前葉・中葉・後葉>
肺は左右に分かれており、右の肺は前葉・中葉・後葉に、左の肺は前葉・後葉に分かれている。右肺は10区域にわかれ、左肺は8区域にわかれる。
左肺の方が少ないのは、心臓の入るスペースの分、左肺はその裏に回るようになっているからだ。左肺のベロのように突出している部分を舌区と呼び、上舌区、下舌区に分かれている。この部分はよく炎症を起こすと言われている。(中葉舌区症候群)
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