10周年記念大会 第23回【Medical Imaging Forum】~乳がんの発見・診断から治療まで~

7月6日(土)に三井ガーデンホテル柏にて、上記のイベントがありましたので、学生として参加しました。学生は無料で入ることが出来ました。因みに途中参加です。。つまみ食い的な参加で済みません。。

テーマがテーマだけに女性の参加者がほとんどでした。。マンモグラフィーは最近女性の技師さんを求めているということですが、見知らぬ男性が乳房をいじるのは抵抗感があるのかも知れません。

①乳房超音波〜検出と判読〜(住友病院 診療技術部 尾羽根先生)

超音波エコーによって乳房の悪性腫瘍などがないかを診断する際のコツを紹介。

・判読は個人の感覚に寄ってしまう。あたりの付け方は決めておくべき。線維腺腫なのか乳房がん細胞なのかは所見で判読出来ない場合があるが、それでもきちんとエビデンスをもって診断した時に正しいか間違ってないかの確認は必要である。

悪性腫瘍の検出の方法(メモ)

・乳房組織の引き攣れは悪性腫瘍の可能性が高い。違う断面で見え方が違っても診断の再現性がある。

・病変の周りに石灰化があるかどうかの確認は必要。

・マンモグラフィーを撮影するときは、被験者によって個人差があるので、乳房の圧迫固定の仕方、やり方を考えて、検出し易く、見易くする必要がある。

MMG(マンモグラフィー)の症例にもカテゴリーがありカテゴリー1〜6がある。
一番難しいのはカテゴリー3(良性だけど悪性の可能性もある)であって、きちんと判読しないと誤診の危険もある。(マンモグラフィーのカテゴリーについてはこちらを参考下さい)

悪性を疑う所見は、周囲の豹紋像と比較して大きい、同じくエコーレベルが低いなど。。
ただ、事前情報がないとスクリーニング検査でも同じように認識出来るわけではない。てか、ほぼ無理。まずは低エコー部分に気をつけるべし。。疑心暗鬼になるといつまで経っても検査が終らないぞ。

超音波の基礎を知りたい方はこちらでざっくりまとめてみました。。。

②トモシンセシス撮影の有用性について
(県立静岡がんセンター 画像診断科 伊東先生)

経過診断をするので、マンモグラフィーの撮影事例はどんどん増えている。

スライス厚・圧迫圧・被爆量などの運用上の問題も考察していました。

圧迫圧はIECの基準で200Nまで、JISで確か150Nでしたね。。(間違ってたら済みません)

診断機器の性能(SELENIA DIMENSIONS Digital Tomosynthesis System)
陽極の材質:タングステンのみ
線質フィルター:ロジウム

(2014/9/15)今見返したら、陽極の材質はよくモリブデン・ロジウムの組み合わせが多いと聞いていたけれど、トモシンセシスだと違うんでしょうか。。

運用方法:初診撮影時は両側2方向2D+3D 患部側は拡大スポット撮影

TomosynthesisTomographySynthesisの統合で3D撮影する方法。
…撮像角度を連続して変えて撮影することで広範囲の撮影をし、
多数のスライス画像を重ね合わせて、実際の乳房像を確認する。
(Tomographyはフィルム自体をずらすことで撮影を広範囲にする)

→撮影時間があがるとズレが生じてしまうのではないか??

ポジショニング→アーム移動→3D撮影→アーム移動→2D撮影→画像確認
というプロセスで通常より撮影時間を延長することで、おなかの動きで像がずれたり、
患者さんが呼吸を止めるのが苦しかったりする。。(それでも撮影性能は高くなっている)



がんセンターなので、あらかじめがんの所見が示されているケースが多いがそれでも分からない場合が多い。

っていうか、撮影された画像(ここでは載せられないけど)からがん細胞がどこにあるか全く分からないw(これを3年後には読影できなければいけないのか・・・)

※DCIS:非浸潤性乳管がん乳管内腔を覆う組織異常な細胞認められる非浸潤性の病態
(weblio辞書より)今回の講演で沢山出てきました。

※MLO/CC:マンモグラフィーの撮影方法。斜めから撮るか、まっすぐ撮るかの2パターン。(参考リンク

※ファントム:医療診断の試験撮影をする為のハリボテ・モデル。。
株式会社京都科学のHPより


2D画像と3D画像を並べて読影することが出来る。今後3Dをメインにして3D画像から2D画像を編集作成する流れになるかも。。。
制度管理委員会というのがあり、新しく米国で使われるようになった技術でも認可がおりるかどうかは分からないとのこと。。)



③乳腺MRI検査の概要と画像の特徴について(亀田総合病院 医療技術部画像診断室 加藤先生)

乳腺MRI診断の現況:空間分解能を重視するACRと時間分解能を重視するEUSOBIがある。

カテゴリー3〜4の境界病変をメインに撮像する。(がんの早期発見を目指す)

・腫瘤性病変は脂肪信号を抑制した造影をすることがキモ。

形態・辺縁部の分類は主に12種類あるが4種類の分類の仕方でもよい。

辺縁の特徴:平滑・不整・スピキュラ

均一・不均一か(均一以外は不均一)造影1分後くらいが脂肪信号によるグラインドが出てきてしまい、病変が分かり辛くなってしまう。

画像で病変の見え方には、漸増型・Washout型の2つがある。。

まだまだ課題は沢山残っている。。乳腺造影MRI検査(何かがあることは分かるがそれが何なのかは分からない。)

病変例:充実腺管癌・非浸潤性乳管癌・硬癌など

TNBC:エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・ヒト上皮増殖因子受容体2型の全てで陰性だとTNBCである。。従来の病理組織型分類とは異なる、遺伝子発現プロファイルに基づいた分類上の1つのサブタイプ。。

科学的根拠に基づく乳がん診療ガイドライン:推奨グレード:C1(使った方がいい)
→2013年は診療方針の決定には推奨グレード:B

・非腫瘤性病変:分布Distribution patternと管腔Ductal pattern

均一はおそらく良性
点状はおそらく良性だが悪性の疑い
結節はおそらく悪性

(ブログ筆者追記:良性腫瘍は圧排する=均一の細胞である可能性が高い。
逆に、辺縁がでこぼこしていて、放射状に張り出しているものは悪性腫瘍の可能性が高いんでしょう!)

モダリティは色々使ってその特徴を知らないといけないね。。

※Cluster ring enhansement:DCISに特徴的。リング状濃染。拡張したductの周囲に血管新生。乳管間質にpoolingされた造影剤を描出(参照リンクもとちよ日記・乳癌画像説明会)


UDH →ADH→ DCIS →IDCの順に病状が悪化していく。。出来る限りUDHやADHの段階でくいとめ、DCISをつきとめ浸潤を断固阻止する。。(発表者から訂正があり、UDH→ADHは出世魚の関係は無いようです。こちらを参考にしてみて下さい。)




他にもいろいろな診断方法を紹介されていたのですが、沢山あり過ぎて、追いつきませんでした。。


・・・ということで、時間の関係でここまでで僕は退散させて頂きました。済みません。。

今後自分もしっかり勉強して、こうしたことをすぐに勉強していけたらなと思います。ありがとうございました!

簡単に乳房撮影について文章でまとめてみた記事はこちら

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