細胞・組織の分類

細胞は生物の基本単位である。1つの受精卵から卵細胞が形成され、その卵細胞から細胞分裂が始まり、やがて各種組織・器官へ分化(differentiation)されていく。組織には、
上皮組織・支持組織・筋組織・神経組織があり、それぞれに特有な機能をもった細胞・細胞間質で構成されている。

そして、細胞を作り分化させ各組織へ機能特化させる仕組みの根本に体性幹細胞がある。
これは成体幹細胞と組織幹細胞に分類され、骨髄内の造血幹細胞で細胞が生成されている。そして、妊娠初期の初期胚の胚性幹細胞がある。

細胞を規定する要素は、細胞内に存在するDNA(デオキシリボ核酸)である。DNAに異常が発生した場合、がん細胞になる。

特定の組織が集まって、特定の形態・機能をもつ臓器(器官)となる。実質臓器は形態と単位が明確で充実性を持つが、管腔臓器は中が空洞である。

器官が特定の目的の為に連携し合うつながりを器官系(外皮系・骨格系・筋肉系・消化器系・呼吸器系・循環器系・泌尿器系)とよび、器官系が集まって一つの個体が出来る。

・上皮組織

上皮には単層・多列に分類される。
単層には、胸膜や心臓などに存在する単層扁平上皮
胃腸など消化液を分泌し内臓の形を保つ単層円柱上皮
甲状腺などに存在する単層立方上皮がある。

多列には表皮、口腔、食道などに存在する重層扁平組織
多列繊毛上皮
腎孟、尿管、膀胱、尿道など水分を一時的に保つ為に形を変形することが出来る移行上皮がある。

機能に分類すると
身体を外部から守る被蓋上皮(つめ、毛、水晶体)、体液を分泌する腺上皮(外分泌腺、内分泌腺)、体内へ物質を吸収する吸収上皮(腸粘膜)、感覚上皮(網膜、鼻の粘膜)、肺胞などの呼吸上皮がある。

※病理:がん腫…上皮から発生。 肉腫…上皮以外。

・結合組織

結合組織(connective tissue)は身体や器官を支持し、器官と器官をつなぐ働きをしている。線維芽細胞から生まれた膠原線維(コラーゲン)から結合組織は構成されているが、
これが減少したり不足すると、組織同士のはりがなくなりしわになる。

結合組織の分類

・疎密性結合組織…上皮や器官を支持

・密性結合組織…靭帯や腱を形成(弾性線維)、骨と骨、骨と骨格筋を支持している(アキレス腱は密性結合組織の分類の中でも一番太い)

・脂肪組織…脂肪細胞で構成される

・細網組織…リンパ器官を支持する軟骨格を形成する。(内分泌・神経・生殖器→特殊)

・骨・軟骨・血管・血液

・筋組織

・筋組織は制御方法から意識的に制御する随意筋と自律神経により制御される不随意筋とに分類される。また、構造から細胞内の横紋の有無で横紋筋と平滑筋に分類されている。カテゴリーには、骨格筋・平滑筋・心筋がある。

・神経組織

・神経組織には神経細胞(ニューロン)とグリア細胞に分類される。これが器官系としては神経系を形成し、神経系から脳や脊髄等の中枢神経系、身体のすみずみに伸びる末しょう神経系に分かれていく。

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