ハロゲン化銀が写真のもとを作るまで

乳剤の中に含まれているハロゲン化銀が写真のもとを作っている。
無色〜黄色で、溶解度は0.97~3.4×10-4g/㍑なので、水にほとんど溶けない
この性質が写真の定着・水洗の際に必要な要素になってくる。

粒子の形は、六角形か三角形に近く、ひらたい平板状か、まるい球状か、立方体の形を
している。そして大きさは0.1μm〜数μmの大きさである。

球状粒子:直接撮影用X線フィルムのレギュラーフィルム(現在ではあまり使用されない)

平板状粒子:直接撮影用X線フィルムのオルソフィルム

立方体粒子:レーザーイメージャー用フィルム

また、写真で使われるハロゲン化銀はいくつかの質量数の異なるハロゲン元素が混じっており、それがもとになっていびつな形をしているため構造のゆがみが生じている。(妖臭化銀結晶)これが、写真の感度や階調にも影響している。

では、水に溶けず、いびつな形をした結晶のせいで写真感度もいいというこのハロゲン化銀は一体どうやって感光していくのだろうか。

電子過程:光の吸収で光電子が出来る。光電子が増感中心などの電子トラップに捕まる。
イオン過程:負に帯電した増感中心は、格子間の銀イオンと結合する。
→②の繰り返しでだんだんと銀原子が追加される。

③②が継続することで、銀原子が集まり、ハロゲン化銀→金属銀へと還元されていく
(現像中心)

この3つのプロセスを繰り返していくことで写真ができていくのだ。

一方で何らかの外的環境変化により潜像が消えてしまうことがある。(長い間湿気とか太陽光のあたるところにおいたりすると)

これを潜像退行といい、高温・高湿下において特に著しい。

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