病理学のカテゴリー

病理学(pathology)は疾病(disease)の発生機序を研究する学問です。病因と経過をとらえて、今後の医療行為における知識・技術の向上、教育や医学の進歩を目指してるんですね。

カテゴリーとしては、病理の発生機序全体における全身の各臓器に通じる一般原則をとらえた総論と、各臓器ごとの病態をとらえた各論に分かれます。

イメージとしては、「ウイルスや細菌に感染すると健康ではなくなる」が総論で、「ノロウイルスにかかると胃腸の機能が崩れ、吐き気をもよおす」が各論だと言えば分かるでしょうか。。

病理学のアプローチでもいくつかに分かれます。実験するか、人の身体を切ったり、自然と身体からとれたものを使うか、などなど。

①実験病理学
特定の疾病が何故起こるのか病因究明を目的としている。実験病理学は近代になってから急激に進歩した。コッホが提唱した三原則は実験病理学の基礎的な考え方を示している。

1感染症には特定の微生物が存在する。
2その微生物は分離培養出来る。
3分離した微生物は感受性のある宿主(しゅくしゅ)に感染させると、
 同一の感染症を発症する。

②人体病理学・・・主に3つに分かれます。

1:病理解剖(autopsy:剖検)

病気が十分に観察されて、治療や看護を受けた患者が死亡したときに行われる。
解剖を行うことで、病因の特定、診断・治療に対するフィードバックを行うことが出来る。

解剖することで、主病変や死因を正確に解明することができ、病態を確認し、治療が本当に正しかったのか(効果判定)、臨床診断が適切だったのか(妥当性)を確認することが出来る。

これにより、医師や看護師の知識や技術が向上し、医師の教育や医学の進歩発展にも貢献することが出来る。

2:診断病理学(diagnostic pathology 病理診断)

人体から病理材料を採取することで病理を確かめる(生検という)

人体の病気になっている生体組織の一部を針を刺す等して採取し、顕微鏡で観察し、
病変の有無やその種類を判断する。

(先生曰く、悪いものが出ないと無駄骨みたいな感じになるので、何回もさして悪性腫瘍
を探しちゃうっていうこともあったりするらしい。。。汗)

外科病理学も似ているが、外科の場合は肉眼的所見に基づいて判断している。外科病理学も含め、生体を傷つけて診断・治療することを侵襲的という。

3:細胞診・組織診(cytology)

身体の表面から剥離した細胞や組織(尿・糞・血液・体液・痰、胃の粘膜などに含まれる)をプレハラートにのせて顕微鏡で観察する形態診断。主に悪性細胞の有無を調べる。
これは苦痛を与えずに標本材料を採取するので、集団検診に適している。


これらの病理学的アプローチの補助的な役割として放射線画像診断がある(画像診断は形態診断ではない)

放射線の診断だけでは、病理が特定出来ない場合に、生検を行う、死体解剖を行うといった病理学的検査を行います。

画像診断の場合、二次元写真(X-P)のために、三次元的な厚みを反映しておらず、患部の
深さが分からないので、横向きに撮ってもらうことで立体的に判断する。

普段の病院における診断では、放射線画像診断が多いが、悪性腫瘍などの本当に深刻な病気を特定する為に、病理診断することもある。。ケースバイケースなのだと思います。

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