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ポータブルについて:CRとFPDのスループット

何十人も1日でポータブルを撮影する際、CRとFPDだったらどっちの方がいいでしょう? 実習に行った先では、CRを使っていました。2人で一緒に行き、一人がカセッテとリスを準備し、もう一人に手渡ししていました。ポータブルの中に5~6枚くらいのCRが入る空間があり、撮った写真ごとに収納出来るようになっています。 誰のどの部位を撮ったかは、紙を挟めるクリップがCRの裏側についているので、そこに誰のどの部位かをメモして挟んでおき、間違いの無いようにしていました。 正直、これは間違えなく、素早くテキパキやるのは結構大変だなあと思って見ていました。なので、FPDの方がいいなあと思います。 FPDは、PCとの接続エラーが生じることがある、本体が壊れると全く使い物にならない(替えが利かない)、難点ですが、それ以上に色々なメリットがあるなと思います。 ・電池の続く限りパネル一枚で何十人も患者さんを撮影出来る。 ・検像端末に送る時に撮影した画像と部位をいちいち確認する手間が省ける。 ・先生や看護師さんがその場で画像を見たい時に、撮ったその場でPC上で画像を確認出来る。(CV挿入、胃瘻挿入時の位置の確認の際、FPDならその場で確認出来る。) そういえば、自動運転がポータブルで普及すれば、ポータブルが患者さんの病室まで行き、勝手に撮影してくれるのが理想ですが、パラマウントさんがFPD搭載ベッドとか開発しない限りは、背中にパネルを入れる作業は人がやらないといけないでしょう。 追記:CRを入れる用の空間があるポータブルだと10枚くらいは入れられるというご意見頂きました。そこまで入るか記憶が定かでないです。

最大許容負荷は"実効"焦点には比例しない。

イメージ
模試の復習をしている時に、 X線管の陽極にかけられる最大許容負荷は 実効焦点に 比例する という選択肢があり、これは正しいだろ、、と思っていたが、他の選択肢が正解だった。 出典: JIS Z 4704ガイド (筆者改変) よくよく吟味してみたら、実焦点:陽極ターゲットに熱電子が当たる表面積 実焦点面積が大きくなれば、単位面積辺りに発生する熱エネルギーは小さくなるので、許容負荷は大きくなる。 しかし、実焦点面積が大きい=実効焦点は小さくなるということだ。 実効焦点が小さい=半影が小さいが、陽極側と陰極側でターゲット物質を通過する距離の差が大きくなって、全体で使える線束の範囲が小さくなる。 ということにつながる。 ということは、 X線管の陽極にかけられる最大許容負荷は 実効焦点に反比例する というのが、正しいことになる。。 これは、やられた。。そして、いかに生半可な知識を身につけていたかを思い知らされる出来事だった。

ポータブル

ポータブルはコンデンサ式X線管装置を搭載した可搬型の撮影装置である。 重量はだいたい300kgあるけど、ハンドルスイッチで移動出来るようになっている。 動かして分かるけれど、握力や手押しの力は関係無い。300kgも動かない。モーターを動かす為のスイッチを入れる手首のスナップ加減が重要だと思う。現場行く前だと、病院実習が最後の動かせるチャンス。 ICU,HCU,CCUなど、緊急性の高い病棟からまず中心に回る事が多い。術前術後の経過を見たりしたいから。なので、オペが多い日はポータブルの稼働率も高い。 撮影条件は病院にもよる100kVのところもあれば、80kVのところもある。mAsもそれぞれで違う。実習に伺ったところは80kV,3.2~4mAsくらいだった。 また、グリッドも病院によって使うかどうかは異なる。グリッドがX線束に対して斜めになるとモアレになるので、それを避ける為に座位になる胸部ではグリッドをあえて使わなかったり、逆に腹部は臥位だからまだ安定し易いのでグリッドを使うことも考えられる。 グリッドに返しの金具があり、カセッテとかませて使うところもあるそうだ。 病院では、本人確認を必ず行う。名前と生年月日を聞くことで、他の患者さんとのブッキングを防ぐ。医師はRISからとんできた画像を見て診断を下す。画像を見た時に「これ違う患者さんのじゃんw」となったら、やばいのでここは間違いの無いようにする。 自分で話せる人には自分で名前と生年月日を話してもらうことが重要。 (続く)

X線映像装置について

X 線映像装置 1、 透過 X 線を利用して人体の透過像を検出し観察する装置のこと。 X 線像を作るフィルムカセッテや透視撮影台も含まれる。 X 線 TV 装置、 I.I 、ミラーカメラが挙げられる。 2、 直接撮影は、透過 X 線が直接受像機に照射される。間接撮影はミラーの反射、屈折などを用いて、 X 線像が間接的に受像機に入射する。 ( フィルムには X 線が照射されない ) 透視は、連続発生する透過 X 線をリアルタイムで受像機に可視化し、観察する。 3、 X 線 TV : X 線管→光電子増倍管 ( 蛍光板 ) →タンデムレンズ・ CCD ・映像増幅・ CRT や LCD 。 4、 イメージインテンシファイアは、被写体を透過した X 線により入力蛍光面に可視像を形成するその隣接する光電面により放出された光電子を集束電極の印加により加速集束させて、出力蛍光面に衝突させることでより明るい蛍光像を得ることが出来る。 ( 映写機+虫眼鏡のイメージに近い。 ) < 各装置の概要 > ・入力窓:機械的強度が高く、 X 線透過性に優れ、散乱線を除去する性質のものを用いる。 Al または Ti( チタン )X 線吸収の少ない ( 原子番号の低い )Al が最近ではよく使われる。 ・入力蛍光面: CsI(Na) 微細柱状構造で、光を横方向に漏らさないので、像が乱れることがない。また、蛍光面の厚膜化により、 X 線から光への変換効率を向上させる。 ・集束電極:入力蛍光面で発生した光電子に 30kV 程度の高電圧を印加することで出力面に集束させる。出力面が陽極、入力面が陰極となっていて、負の電荷を帯びた光電子は印加電圧によって出力面に集束される。可変視野管の場合、印加電圧が変更出来るようになっている。 ・出力蛍光面: Zn,CdS 蛍光体を使用し、出力面に集束された光電子により発光させる。 5、 I.I について (1) 入力面の大きさは (15~40)cm φのものがある。出力像の大きさは (20~30)mm φ程度。イメージ管内の電圧を切り替えて、 2~3 種類の視野を選択することが出来る。 (2) 入力面蛍光体: CsI:Na  出力面蛍光体: Zn(Cd)S...

X線機械装置について

<X 線機械装置 > 1、分類 医用 X 線機械装置は主に X 線透視撮影台、 X 線撮影台、保持装置がある。 2、規格 性能と構造、動く部分、機械的安全に主に分けられる。特に重要な要素は、荷重限界 (100kg までの負荷質量なら、正常に動作し、 135kg までなら安全に支持することが出来る。 ) と力を加えた時にだけ動作するデッドマン制御であることである。 3, (1)    負荷質量:成人を対象の装置では少なくとも 100kg の負荷質量で正常に動作する。 (2)    動力駆動部による圧迫:患者に対する圧力は最大 70kPa 、力は 200N 以下に制限する。ただし、 X 線透視撮影台の圧迫筒の強さは 80N を越えない。 (3)    機械的強度:成人対象の装置は、少なくとも 135kg の体重を安全に支持する。 (4)    デッドマン形制御:力を加えた時にだけ動作する。患者に危害を与える恐れのある場所は慣性移動で患者さんに衝突しないようにする必要がある。 (5)    滑車とワイヤー: ( 教科書まんま ) 切断によって患者または操作者に危害を及ぼす可能性のある懸垂保持機構のワイヤーロープと滑車の直径との関係は次式を満足する。 D/d>=300 D/dr>=20 4、 X 線撮影台 X 線撮影台とは、立位または座位、臥位で患者さんの位置きめを行い、撮影を行うことが出来る装置のことである。目的とする部位や撮影法によって用いる撮影台が異なる。直接撮影台、間接撮影台、断層撮影台、 X 線 CT 撮影台、特殊撮影台がある。 5、保持装置 主に X 線管や X 線映像装置等を保持する装置のこと、天井から X 線管などをつり下げる天井式、床に固定された支柱を用いる床上式、天井・床上式、壁掛け式、ポータブルなどの台車式保持装置などに分類される。 ( 学校のは、多分天井・床上式 )

デジタルシステムにおける画像パラメータ

CR システムによる X 線画像形成において、感度と階調度を決定する S 値と G 値について検証し、デジタルシステムにおける画像のパラメータについて理解する。 原理及び理論 (1)X 線一般撮影の画像特性 画像特性における要素は 鮮鋭度 ( いかに細部まで再現出来るか ) 、粒状性 ( ざらつき具合 ) 、コントラスト である。これらの要素が上手く組み合わさり、目的とする部位の疾患や異常を発見することが出来れば、医療現場において診断に適した画像と言えるだろう。 (2) アナログと CR のシステムの違い では具体的にアナログと CR ではプロセスにどんな違いがあるのか? まず、アナログの場合は X 線照射 → 線減弱 → 増感紙による蛍光 →X 線フィルム内の黒化銀の露光 → 現像というプロセスで画像が形成される。 一方、デジタル(CR)の場合は X 線照射 → 線減弱 → 輝尽蛍光体による光量子吸収 ( 潜像状態 )→ 赤外線走査による輝尽反応を電気信号に置き換え、その信号値をデジタル画像化する、というプロセスを踏む。 両者のプロセスの中で違うことは二つある。 一つは、デジタルの場合の方がモトルとなる要素が多いこと。もう一つは、後から階調度と感度を編集することが出来るということである。 (3) 階調度と感度とは 階調度は、特性曲線の直線部分の傾きであり、感度は、露光量に対する濃度変化の度合いを示す。 従って、階調度を高くすると、直線部に対応する露光量範囲が狭くなり、コントラストが強くなり、直線部の階調度を反転させると、黒と白のコントラストが逆転する。 ※Image Jでも出来ます。 また、感度を高くすると、少ない露光量で高い濃度を得ることが出来、感度を低くすると、露光量が多くても低い濃度の画像(白っぽい画像)しか得られない。 (4) アナログシステム、 CR システムにおける G 値、 S 値について S 値の S とは感度 (Sensitivity) の略である。 あるフィルムシステム を利用して撮影した場合、比感度は 250 程度となる。これは、以前の増感紙 - レギュラーフィルムのシステムの比感度が 100 であったのと比べるとお...