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核医学検査が技師法に記述されたのは何故なのか。

これまで核医学検査は、技師の業務範囲として正式には規定されていませんでした。  技師の行える業務は主に、診療(診断と治療)の為に外部放射線を照射する業務、それ以外に政令で 定められている画像診断装置を扱う業務でした。  核医学は体内に放射線を放出する核種を投与することで画像診断を行う検査なので、 外部放射線を照射していることにはなりません。 一方で、核医学検査装置は政令でも 技師が扱える画像診断装置として規定されていません でした。 実際のところ、核医学検査にほぼ100%の技師さんが携わっているので、これらの管理業務も 技師が行うのが慣例でしたが、正確にいうと管理業務を技師がやらなくても良かった?のです。  そういう意味で安全管理の意識が薄くなってしまうと、医療事故の遠因になってしまう可能性があります。  そこで、つい最近の技師法改正にあたり、実状に見合うように技師の業務を見直すため、 核医学検査装置を技師が扱える画像診断装置として技師法に追記することになりました。 厚生労働省の審議に関する資料がありましたので、掲載します。 <参考資料> 診療放射線技師の業務範囲について:資料1(厚生労働省)

技師の役割・認められている行為

診療放射線技師法 <定義:2条> 厚生労働大臣の免許を受けて、医師または歯科医師の指示の元に放射線を人体に照射することを業とする。 照射:照射機器(RALS?)や放射性同位体を人体内に挿入して行う物は除く。 最近新たに行って良いことになった行為 ①血管造影時など a)静脈路に造影剤注入装置を接続する行為。 b)造影剤の注入器の操作。 c)造影終了後の抜針と止血。 ②下部消化管などの造影 a)下部消化管検査の為、肛門にカテーテルを挿入する b)カテーテルから造影剤、空気を注入する行為。 ③治療前準備 a)画像誘導放射線治療(IGRT)の為に、肛門カテーテルを挿入する行為 b)当該カテーテルから空気を吸引する(空気を抜いて治療をし易くする) 特に抜針などは、検査が終った後も患者さんがじっと注射針を指したままで座って待っていなければいけませんでした。その度に看護師さんを呼びにいっていて、逆に手間で大変だったので、技師がそれを出来れば時間を置かずに、患者さんがすぐに帰れるだろうにと思ったことはあります。

診療放射線技師法について

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診療放射線技師法は、ざっくりいうと診療放射線技師とはそもそもなんぞや的なところを規定する法律です。 かいつまんで説明を書いていこうと思います。 <放射線の種類> 第2条で下記のように規定されています。 (1)α線とβ線 (2)γ線 (3) 1MeV以上の エネルギーを有する電子線 (4)X線 (5)その他政令で定める電磁波または粒子線 因みに政令=施行令で取り決めている放射線は、 (1)陽子線及び重イオン線 (2)中性子線 です。陽子線と重イオン線は、荷電粒子線、 中性子線は非荷電粒子線ですね。 荷電粒子砲って何Gy? ※因みに全然関係無いけど、ガンダムとかに出てくる荷電粒子砲とか ミノフスキーなんとか粒子ってどれにあてはまるんだろうw( 参考資料 ) 第2条第2項 この法律で、「診療放射線技師」は、厚生労働大臣の免許をうけて 医師または歯科医師の指示の下に 放射線を人体に対して照射することを業とする者。 これに付随して、診療放射線技師が出来る業務として画像診断装置を用いた検査の業務(MRIや眼底カメラや超音波診断装置)があり(第24条の2)、医師や歯科医師、放射線技師でなければ、これらの業をしない(第24条の1)ことが明記されている。 但し、RI(密封小線源)の刺入は出来ない。RIの入った薬剤を注射器にセットするところ迄は技師さんが行うが、基本患者さんに刺入する系の技術は技師さんはやらない。(針を抜くことは今後出来るようになるらしい。) それでは、よく集団検診とかで来ている健診車はどうなのか?(高電圧発生装置はコンデンサ式?)というと、会社や学校で肺野撮影などを行う場合は、例外的で、 ①事前に責任医師の明確な指示を得ること ②緊急時や必要な時に医師に確認出来る ③必要な機器・設備・撮影時や緊急時のマニュアルの整備 ④機器の日常点検等の管理体制、検査者の教育、研修体制の整備がなされていること を条件に医師がいなくても撮影することが出来る。 <免許について> ・実は国試に合格しただけでは免許は交付されない。その為、本来は就職しても免許証が無い状態で、撮影を行うことは出来ない。(2段スイッチの回転陽極のランプがつくまではOKw) 合格すると①診療放射...

放射線を扱う医療機器と放射線技師が出来ること

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医療現場で診断や治療に用いられる機器のことを医療機器という。これには、患者さんの侵襲度を考慮してクラスI〜クラス4まである。 具体的には クラス1:一般医療機器:不具合が生じた場合でも人体へのリスクが 極めて低い 。 ex:注射針、ピンセット、X線間接撮影用カメラ、手動式手術台等 クラス2:管理医療機器:不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが 比較的低い と考えられるもの ex:補聴器、歯科用金属、歯科用注射針、手術用手袋等 クラス3:高度管理医療機器:不具合が生じた場合、人体のリスクが 比較的高い ex:コンタクトレンズ、透析器、人工呼吸器(レスピレータ)、バルーンカテーテル、血管陽カテーテルガイド、ワイヤー、AED等 クラス4:高度管理医療機器:患者への侵襲度が高く、不具合が生じた場合、 生命の危険に直結する恐れがあるもの。 ex:ペースメーカー、人工心臓弁、心血管用ステント等 また、据え付けの機器かどうか(組み立てる必要があるかどうか)なども問題になってくる。 放射線関連機器には、RI線源を用いるものか、電気的に放射線を発生させるものの二つがある。 前者は、 診療用放射線照射装置、 診療用放射線照射器具(この二つは下限数量の1000倍以上か以下かによって決まる)、 放射性同位元素装備診療機器、 診療用放射線同位元素、 陽電子断層撮影用放射線同位元素、 後者は、 X線装置 診療用高エネルギー放射線発生装置 診療用粒子線発生装置 である。 放射線技師は、これを歯科医師や医師の指示監督のもとに扱う。ただし、集団健診を行う場合は、以下のことが守られれば例外的にOKである。 ①事前に責任医師の明確な指示を得ること ②緊急時や必要な時に医師に確認出来ること ③必要な機器、設備、撮影時や緊急時のマニュアルの整備がなされていること ④機器の日常点検等の管理体制、教育、研修体制の整備がなされていること 診療放射線技師は、患者さんの余計な被曝を防ぎながら、撮影や治療を行う。ICRP勧告でも放射線障害を防止する為に行為の正当化、防護の最適化、濃度限度の設定を行っている。 放射線被曝を考慮したX線管焦点皮膚間距離などが定められている。 口内法70kV以下,歯科用X線撮影,CT撮影の場...

放射線に関わる法律について

診療放射線技師が関わる法律は、医療法、放射線障害防止法、診療放射線技師法などがある。 法律は国会が定めるルールであり、それを実際に実施する上で、行政(内閣)が法施行令を制定する。そして、各省庁がさらにそれに順じた形で指示を出す。 法律には、何を放射線、何を放射線発生装置と規定するかを決めている。核医学に用いられる放射性医薬品などは、医薬品の中にカテゴライズされていて、より高い(1MeV以上)エネルギーの放射線について別途規定している。 例えば、病院の電子線治療に用いるライナックや、陽子線、重粒子線治療に用いるシンクロトロンなどはこれにあたる。 実は取扱い主任者1種で扱う法律と、国試で勉強する法律は、オーバーラップしているところとそうでないところがあります。 取扱い主任者は主に放射線障害に関する法律が中心ですが、診療放射線技師の場合、労務に関すること、医療職に関することも関係してきます。たとえば、核医学検査が出来ること、放射線技師がMRIや超音波など放射線を発しない装置を扱えるのも 法律に明文化されているからです。(核医学はつい最近明文化) 放射線を取り扱う法律として、基礎となる法律にまず原子力基本法があります。 放射線障害防止法がその下にあり、内閣による法施行令がその下、省庁による規則がさらにその下にあります。 放射線障害防止法には、その定義の中で、①RIに関する項目:使用、販売、賃貸、廃棄その他の取扱い、②放射線発生装置の使用およびRIにより汚染されたものの廃棄、について取扱いを規制する、としています。 そして、定められた規定として、主に設備等及び基準に関する規定、施設基準と行為基準、放射線の管理等に関する各規定について述べられています。 このように放射線が発生する装置や薬品等は医療現場でも必須のものとして使われる一方、それを安全に漏らさないよう使うにはどうすればよいか、を規定しています。 細かい規定についてはこちら↓ 工事中