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9月, 2014の投稿を表示しています

試験が終りました。

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やっと試験が終わりました。。14科目で、様々なヘビーな試験があったので大変でしたが、、、医療系の学校はみんなこんなもんなんですね。聞く限り。。 画像工学系の勉強やらなきゃ。ウイナースペクトルとか、そこらへん全然理解出来てなかった。。 ところで、今アジア大会やっていますが、僕は卓球が好きなので、卓球のニュースをよく見ています。愛ちゃんが中国選手に団体戦決勝戦で勝ったものの、あとが続かず1-3で敗れました。あと、ポルトガルが地元開催のEURO?でドイツを破り優勝したとか。がんばれ〜。。 因みに、最近では卓球療法というのもあるらしく、認知症の方や運動機能が衰えている方々も楽しく出来て、認知や運動機能にいい効果があるみたいです!

PETよりも非侵襲なDWIBS

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最新の画像診断でがん治療がかわる(リクルートキャリア) より PETよりも非侵襲的にがんの治療経過を観察出来るDWIBSという手法があるそうです。 PETはサイクロトロンによって陽子をターゲット核種にぶつけることで生成した放射性核種を用います。人体の代謝でよく使われる物質の放射性同位体を用いれば、より細かい体内情報を知ることが出来るだろうということです。(錯体を作るよりも、体内動態は近いからだと思います。) DWIBSは、MRIのDiffusion Weighted Imaging (拡散強調画像)を用いて、身体の組織情報を極力削り、がんの進行部分だけに注目をあてた画像で、見た目はほとんとPETに近いです。 ただ、標識化合物を使っていないので、静脈注射する必要がなく、放射線被曝を受けることもありません。高い医薬品を使う必要も無いのです。 また、2週間に1回の頻度で観察することが出来るらしく、短い期間で経過を見ることが出来るのです。 つい最近、この手法を開発されている先生が海外で学会発表をされていたそうなので、今後MRI関連で手法が広がっていくかもしれませんね!

JSRT日本放射線技術学会東京部会の春期のまとめ(途中)

5月に見学した日本放射線技術学会東京部会春期の 予稿録 があがっていました。 多分予稿録みたら、どなたがどんな発表したか分かると思うので、メモしたことをもとに、どんなことが話されていたかをまとめてみようかと思います。 ①X線CTの日常検査について 医療現場のリスクマネジメントを考える上で、Joint Comission International の観点から考えるのが有用ではないか。 リスクマネジメントの方法:4M-4E法、メディカルシーバー、なぜなぜ、PMシェル ②新型CTで逐次近似法を用いて被曝低減 Aquillion PRIMEにモダリティを変更したため、プロトコルを疾患別に策定する。 (疾患別のプロトコル:各技師にどう使ってもらうか周知徹底が必要) モダリティが変更しても画質の担保出来る様にする。係数・業務時間も考慮。 AIDR3D:スキャンプランに組み込むことが出来、AEC、心電図、呼吸同期、Dual Energy Scanも可。 生データと画像データ上でノイズ処理を行う。 prospect/retrospectなデータを得易い。(拡大、MPRは個人のスキルによってしまう) ストリークアーチファクトの減少 CTDIvol(CTDIw/CTピッチ係数)の比較。品質管理の必要性 胸部ルーチン(4~50%):アキシャルのみの再構成(サジタル・コロナルetc)。SNR,CNR。 小児胸腹部:(30~40%) 頭部(20%) 頭部20~30%のDose Reduction:脳脊髄液・白質での雑音 ・・・CNR×診断能×SNR 頸部17%のDose Reduction ③Perfusion CTのモデリング 脳灌流などを見るCT Perfusionの定量性を見る。人体に近い血流モデルをファントムを用いて行う。 分布:A×B=C(C:ABの分布が同じ) 伝達関数:a(t)×h(t)=Q(t) a(t):動脈入力関数、h(t):伝達関数、Q(t):脳組織 ガンマ分布に依存。矩形・三角関数の畳み込み Howard:指示薬の時間濃度曲線:動脈入力関数・脳組織のTDC(時間濃度曲線) 2つのパラメータ:形状のα母数・尺度のβ母数 動脈のTDC: CBP:60ml/min (CBP:Cere

医療情報に関する資格は放射線技師は今後必須になると思う

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以前、AZE展の懇親会で、名刺交換した技師さんの名刺に「診療情報管理士」の名前が。 「これからの技師は、こういう資格が必要になるんです」と言っていました。 なるほど、最近クラウド(データセンター)上に医療データを保管し、閲覧出来るような仕組みが整備される中で、医療情報の扱い方も勉強しなくてはいけないんだろうな、と思っています。 学校の先生にも余裕があったら取得するといいよ、と言っていたので、早めに勉強頑張っておいて、取得しようか検討中です。 ただ、色々な情報系資格があって、どれを選んだらいいかかなり迷いますが、、、 医療画像情報精度管理士(日本診療放射線技師会) …医療画像情報の運用管理に関する知識を修得し、より良い画像情報を提供するため医療画像情報の適切な利用、 管理を行うことを目的としています。医療画像情報精度管理士の講義内容は、デジタル画像、圧縮技術、コンピュータの基礎、ネットワークの基礎、 PACS(運用・保守管理)、医用画像表示装置、DICOMの基礎、標準規格、精度管理・画像評価、医療における個人情報保護、情報セキュリティ、放射線 情報システムです。 なお、医療画像情報精度管理士を取得するためには、e-learningによる在宅講習を受講し、認定試験に合格する必要があります。(ホームページより) 診療情報管理士とは(一般社団法人日本病院会) …診療情報管理士とは、ライブラリーとしての診療録を高い精度で機能させ、そこに含まれるデータや情報を加工、分析、編集し活用することにより医療の安全管理、質の向上および病院の経営管理に寄与する専門職業です。(ホームページより) ※この診療情報管理士ですが、資格を取得する為に、短期大学以上か専門学校卒業でないといけないので、学生中はとれなそうです。 医療情報技師育成部会(一般社団法人 日本医療情報学会) …医療情報技師 (いりょうじょうほうぎし、 英語 :  Healthcare Information Technologist )とは、 日本医療情報学会 が資格付与する 民間資格 のこと。認定試験は 2003年 に開始され、8月頃に年1回、多肢選択式( マークシート 方式)で実施されている。病院 情報システム の開発・運営・保守が主な業務となり、その特質上

病院の会計待ち時間をゼロにするHoSpee(ほすぴー)

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病院の会計待ち時間をゼロにする ほすぴー というアプリを、知り合いがリリースしました。 都内の病院では、限られた時間内で診察を受けたい人が大勢いるが、沢山いる分、さばくのも大変で、単位人数あたりの事務処理時間があまり変わらなければ、待ち時間はどうしても増えてしまいます。 そこで、クレジットカードで決済できるようにして、診察後の会計待ち時間をゼロにすれば、病院の回転率もよくなるし、患者さんも早く帰れるようになって、win-winの関係が築けるようになります。 現在、クリニックでテスト運用中で、今後運用数を増やしていく予定みたいです。 病院経営をされている方、是非ご検討下さい!

CT・MRIの日常点検項目

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試験で出来なかったから、おさらいしておく。。 こんなものがあるようです。 放射線関連装置の始業・就業点検表について(2007/12/5) (JIRA:日本画像医療システム工業会) これは装置の精度確認を行う日常点検項目とは違うのか。。 出典: Phantom Laboratory CT 日常点検項目 ①ノイズ:水ファントム画像の特定区域内のピクセル値の変動の標準偏差 ②コントラストスケール:物質と水のCT値差に対するそれぞれの線吸収係数の差 ③空間分解能:画像評価において異なった物質を解像出来るX線CT装置の能力 ④スライス厚:スライスプロフィールの半値幅 ⑤高コントラスト分解能:周囲とのX線吸収差が大きい時、画像上で識別出来るもの ⑥低コントラスト分解能:周囲とのX線吸収差が小さい時、画像上で識別出来るもの …CT値の差が大きい、小さい時にどれだけ画像上で正確に調べることが出来るか。 ⑦線量指数(CTDI) …CTDI=∮ +10mm~-10mm D(z)/N×Tdz スライス面に対する垂直線上の線量プロファイルの積分を公称スライス厚と単一スキャンにおいて得られる断層数との積で割ったもの。 CTDIの測定事例 を掲載したので、よかったら見て下さい。 出典: Phantom Laboratory MRI 日常点検項目 ①SN比 ②均一性 ③スライス厚 ④空間分解能 ⑤幾何学的ひずみ CTでがCatphanファントムがありますが、MRIも似たようなものがあるんですね。 MRI 日常点検ファントム (日興ファインズ工業株式会社) Phantom Laboratory (ファントムの紹介が沢山されているページ) これと似ているものとして始業時、終業時点検があります。 CTの項目だけ紹介しておきます。

3Dプリンタによる臓器モデリングはCTやMRIの技術革新の賜物

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出典: NEWS ZERO 公式Facebookページ 先日、3Dプリンタによる臓器モデリングが紹介されていました。 Bio-Texture Modeling(生体質感造形)は、 ファソテック社 の3次元設計技術と 神戸大学大学院医学研究科 との医工連携で開発された生体モデル製作技術だそうです。 CTやMRIなどの医療診断装置から得られたDICOMデータから人体の各部位(骨・臓器など)の質感(可視化・感触・硬さ・柔らかさなど)を持った精密な3次元医療生体モデルを作ることが出来るのです。 CTのスライス厚が極限まで薄くなったり、MRIのSN比が向上したことで、精度の高いDICOMデータが得られるようになってこうしたことが出来るようになったんですね。 (そういえば、この前、CTとMRIの日常点検項目を書きなさい、という問題があって出来なかったな。。。復習せねば。。。) 出典: ファソテック 内部の血管まで再現されていて、CTのアキシャル断層像では分からなかった全体像が手に取るように分かりますね。因みに、肝実質を担う肝細胞と門脈系は別々の物質でモデリングしています。すごすぎ。学校の授業でこれ見たら一発で肝細胞がんのこと分かるじゃんか。。! 一方で、CTやMRIは元々X線の線減弱係数の分布や核スピンの差を励起パルスを利用して可視化しているに過ぎないので、なんでもかんでも組織の構造を正確に識別して3D化できる訳ではないよね、、という話もあります。 医療における3Dプリンタの大きな大きな誤解( -ズバッと!東大な日々。- の、その後の日々。 ) アイソロピックでノイズの少ない画像を得る為には、高解像度のCTやMRIとかを使っていて、そう簡単に誰もが発注して使える代物でもないと思います。。が、それでも、インパクトとしては凄いですよね。 この3Dモデリングを開発している 先生の本 も面白いです。 Amazon より

上部消化管(メモ)

二重造影:消化管を何も無しにX線撮影しても、ほぼ同じ原子番号でコントラストの つきようがないので、コントラストのつく物質をつけて撮影してみようというもの。 まずは、二重造影の基本を前提に考えてみよう。 順番を覚えるのは結構面倒くさいが、以下のポイントが大事だと思う。 ①腹臥位の時は胃の前壁、背臥位の時は胃の後壁を見る。撮影台に近いから。 ②バリウムが流れ終わった跡(波打ちぎわ)を見たい。薄層になっているから。 ③食道、十二指腸は身体の奥側、胃は身体の前側にあるので、背臥位だと胃に入っているバリウムが流れていき易い。らせんの滑り台のようになっているので、踊り場(胃角境界線の間?)でバリウムを維持して、使い回す。 本当はしびんみたいなものを使って実演すれば一番分かり易いんだけど、絵や3Dで見てもいまいち一連の流れが分からないので、やってみるしかないんだろうな。。。 透視撮影自体、内視鏡下の手技が増えてきているのでそこまで必要なくなっているとはいえ、人間ドックの恒例みたいなものだから、簡単に無くなりはしないだろうw 前壁粘膜レリーフ:バリウム剤50w/v%程度+発泡剤を利用し、腹臥位で前壁のひだをみる。 ↓ 食道(EGJunction底なしびんのように落ちていってしまうので注意) ↓ 立位・腹臥位充満像:胃角のniche、小弯、大弯(スキルスがんがあると、その場所に欠損が生じる)を確認する。 ↓ 背臥位正面・両斜位:ローリングによって、陽性造影剤を胃壁全体にくまなく分散させる。背臥位になると、胃の後壁が撮影台に近くなるので、後壁を観察する。 ↓ 頭高位・背臥位:シャツキー(半臥位・第2斜位) ↓ 立位圧迫(バリウムが流れていってもよいので、圧迫筒で押して、バリウムの薄層、胃壁の輪郭を見る)

試験期間中です。

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今週から試験期間に入っています。 試験内容は CT検査学 放射線機器工学 放射線計測学 放射線物理学 消化管撮影技術 画像工学 上肢・下肢撮影技術 頭頸部撮影技術 MRI検査学 診断学 放射線生物学 といった感じです。 これらを1週間かけて行います。結構大変です。 僕が通っている専門学校では、3年制で、一学期内につめこんで一つの分野を勉強するので、一回の試験の重みがかなり大きいです。 取扱い主任者一種試験の勉強をしていた分のおつりと普段の授業ノートをかなり綿密につけていたおかげでまだ何とかなっています。

CNIC訪問記(メモ)

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書こうと思ってなかなか書けずにいた CNIC のことについて。(あとからまた多分つけたします) 出典: CNIC ・原子力資料室(CNIC)は、昭和から始まる由緒正しきNPOで、色々な書籍や過去の資料が整理されていて、どなたでも閲覧出来るようになっている。 ・実家近くの土:朝行く前にペットボトルにちょっとだけつめてきた。ホットスポットで公園での測定では0.1μSv/hくらいあったみたい。しかし、全く反応せず。量が少なかったのもある。 ・飯館村の土:かなり反応する(20000Bq/kgで数百g:0.2~0.3μSv/h) ・ALOKAの NaIシンチレーションカウンタ を使用。時定数を3,10,30秒に変更して、計測値をじっくりみるか、リアルタイムの計測値をみたいかで選択出来る。 ・トリウムを使用したカメラレンズが昔製造されていてカメラ愛好家の方がぶらさげていて胃がんが多かったらしい。飯館村の土よりはるかに線量高く1μSv/hを軽く越えていった。(谷村さんとどきどきしますよねwって驚いていたw)普段は鉛で包んでいるらしい。 ・ハイエンドな測定器はALOKAが中心だけれど、ローエンドでもいくつかある。最近だとsoftbankからpantoneモデルで放射線測定が出来る携帯があったけど、それに近いもの。 他には、HORIBAが出している シンチレーションカウンタ がある。 出典: HORIBA これは時間をかけないと線量が測定出来ないし、正確さにも欠ける。エステー化学も5000円くらいのものを出している。これはSi半導体みたいです。 出典: エステー化学 ・環境試料測定の場合は、マリネルという容器に入れてNaIシンチレータで計測している。 出典: EMF Japan 2011.3.11以降各業者が開発を重ねて、様々な計測器が開発された。専用のソフトウェアもあり、計測スペクトルをその都度確認することが出来る。茶葉を測定した場合、K40はCs137と比べても非常に高い。(動植物はK40を摂取する) 逆に無生物環境だとCs137が相対的に多くなる。 ・放射線物質を扱うので排気設備を設置。HEPAフィルタを使用。(特にプレフィルタはつけていないみたい) ・様々な活動をやっている

【Jam the World】ベテランママの会

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先程たまたまJ-waveの jam the world [Heart to Heart]で放射線に関する話があったので書起してみる。jam the worldはたまにしか聞かないのですが、ピストン西沢さんのGroove Line Zとは真逆のとても真面目かつ重要な論点を掘り出すラジオ番組です。 ベテランママの会 の番場さんと津田大介さんのインタビューコーナーです。 番場さんは、南相馬で暮らす家族の為に生活を助ける為に活動しています。最近南相馬の方々向けに小冊子を作成したそうです。普通の方はあまりにも放射線に対する知識が足りない。 例えば、 カリウム40 など身体の内部に存在する物質は、全身に分布するセシウムなどよりも原子単体では高いエネルギーの放射線を放出します。放射線は自分達の生活の中に関わっているのだということを知るべきだと。 カリウム40の放射線はセシウムのγ線の約2倍程度。 (Ge検出器の1260~1560kevの間にセシウムのサムピークとカリウム40のピークが存在する。 NaIでは検出出来ていない) 出典は CNICタニムラボの福島県飯館村の土壌測定 こうした冊子を作成する為には専門知識が相当必要。お話会をもとに、デザイナーが冊子デザイン。また、監修は放射線に詳しい先生がされているそうです。 よくおきがちな誤解は、福島だけが汚染されている偏見。内部被曝・外部被曝の違いが分からない。などということ。SNSでも風評被害を助長するような書き込みが頻発しているようです。 過去の地図を参考にしながら、実はもともと西日本の方が自然放射線が高いこと。地面(Rn)、宇宙の自然放射線によっても被曝していること。世界の年間被曝量は日本が実は低い(2.0mSv)ことなど。が冊子に書かれているみたいです。 南相馬以外の方が読んでもためになる冊子。 ベテランママの会 で検索すれば出てくるそうです。 <参考> 番場ゼミナール・番場ブログ【ごくせんブログ】

気体電離の検出器(電離箱・比例計数管・GM計数管)

放射線の電離、蛍光作用を用いてX線検出を行う。 電離は、 気体(気体充填)・固体(半導体) のどちらを用いるか、蛍光はシンチレータを用いることで放射線を検出します。 気体の場合は印加電圧をかけて、気体の電離電荷を収集する。その収集イオン対数の割合によって、検出の仕方が異なる。 電離箱領域 、 比例計数管領域 、 GM計数管領域 の3つがある。 電離箱領域は電離される電荷が飽和しており、電離電荷を用いて放射線を計測することが出来る。電離電流は 10^-11A 程度の微弱な電流であるが、これを微分値(微分方式)、積分値で検出するか(積分方式)、パルス電流(パルス電離箱)によって検出する、という3つの方法で検出する。 (最近ではパルス電離箱はあまり使われていない。) 電離箱においては、気温や気圧による変化を考慮した大気補正計数kを乗することで、測定値を補正計算する。 比例計数領域では、電離した二次電子がよりエネルギーを持つことでさらに他の電子を電離する電子なだれを利用する。印加電圧に比例して収集出来るイオン対が増えるので、電離箱よりも検出感度はよい。また、α線・β線の分離測定を行うことが出来る。 GM計数管と比べて分解時間は短い(数μs)が、エネルギー分解能は電離箱より悪いので、最近ではあまり使われていない。 比例計数管の種類のひとつとして、半球方向、全球方向から放射線のガス電離を検出する2π,4πガスフローカウンターがある。これは幾何学効率を一定(G=0.5~1)にして、検出することが出来る。 電離ガスはPRガスとQガスがある。 PRガス :Arガス90%、CH 4 ガス10%  CH 4 ガスは紫外線により光電子が発生するのを防ぐ。 Qガス :He(98~96%)、イソブタンC 4 H 10 (2〜4%) Qガスは比較的低い電圧でGM領域になり、検出効率が非常によい。 電子なだれがより大きくなると放電を起こす。この放電をコントロールして電離検出値を検出するのが、GM計数管領域である。 1回のガイガー放電につき約10^9〜10^10個のイオン対が生成され、数V程度の出力が得られる。その為、前置増幅の必要が(原理的には)なく、簡単な増幅だけで検出することが出来る。 ただし、エネルギー分解能が非常に悪く、エネ

CT画像再構成法

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画像再構成法 J.Radon の画像再構成則 2次元あるいは3次元の物体はその投影データから無限集合から一意的に再生出来るということをおよそ100年前にJ.Radonは言っていた。 出典: Wikipedia 要は、何方向からも沢山撮った写真データを組み合わせれば全体の位置関係が一目で分かるような画像が作れる、ということです。 逆投影法とは? セブンイレブンのコーヒーのふたがいくつも重なっているのを見て、 これが1°ずつ違うふたが360枚重なっていたらコンボリューションだな、と思った。 X線単純撮影なら、X線量子を広い面で捉えるので、平面上に2次元コントラストを得られるけれど、X線CTの場合は、量子を検出した段階では1次元データなので、それだけでは画像を得られない。 そこで、1次元データの結果を位置関係(角度)をもとに原画像へ反映させるのが逆投影という方法なのだ。 (これは、違う角度から撮った2つの写真を重ねてみると3Dに見える原理に近い) I(t,θ)=I 0 e^-f(x,y)ds …f(x,y)をX線ビームの進行方向sで積分したf(x,y)dsがs方向の減弱係数を集積したものとして表す。 FBP(フィルタ補正逆投影法) 単純逆投影法(出典: CT適塾 ) フィルタ補正逆投影法(出典: CT適塾 ) フィルタ補正逆投影法は投影データにフィルタ補正をかけて、原画像のボケをなくす方法だ。逆投影データを周波数成分に変換(フーリエ変換)すると、その中にはノイズ成分も含まれている。 細かい部分を観察したいのに、高い周波数成分にノイズが含まれていると臓器の情報が分からないぼやけた画像になる。 (単純逆投影法の画像の方が辺縁がぼやけて見える) そこで、高い空間周波数領域の信号を高く、低い空間周波数領域の信号を低く補正することで、より細かい輪郭を強調することが出来る。(よくみると、単純逆投影法の方も中心から放射状に線が見えるが、それがフィルタ補正でより強調されている。低いコントラストはより低く、高いコントラストはより高くなっている。) フィルタにはきつめの RL(Ramachadran) とエッジが滑らかな SL(Shepp-Logan) フィルタがある。 CBP(コンボリューシ

Co-med Cafe

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Co-med Cafe というイベントスペースを浅草橋で大学生と一緒にやっています。名前の由来はCo-medicalが集まるCafeという意味です。 ほぼ毎月イベントを開催していて、緩和ケアの医師の死生観について伺ったり、TEDでも講演されている医師からプレゼンテーションスキルについてご講演頂いています。 また、学生主体の医療ビジネスコンテストやアプリ開発コンテストのチームも利用していて、よくにぎわっています。 よかったら、是非是非足を運んでみて下さい。 住所: 東京都台東区浅草橋5−1−38(アイビー浅草橋3階)JR浅草橋駅西口より、徒歩4分。都営浅草線 浅草橋駅 4番出口より徒歩8分

CTの画像コントラスト

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CTのコントラストはどうやって決まっているのか? CTは人体の身体を輪切りにした画像(断層像:アキシャル像)を観察することで、医療現場の診断に貢献している。 CTはX線管と検出器をガントリによって回転させ、各組織のコントラストを0(黒)~255(白)のグレースケールに振り分けることで表現している。 コントラストの基準となるのは、 CT値 である。 CT値=μtーμw/μw×1000 (μt:組織の線減弱係数 μw:水の線減弱係数) 水の値を0 、 空気を-1000 とした時、各組織のX線光子量を相対値で示したものが CT値(HU:ハンスフィールドユニット) であり、観察したい組織にコントラストをその都度あわせて読影をおこなう。 利用しているphoton数が多いこともあり、X線S/FシステムやCRと比べても非常に ダイナミックレンジが広くとられている。 その代わり、被曝線量も非常に多いので、最低限の線量で撮影して、後で補正処理する 逐次近似法 (ASiRなど)が最近注目されている(らしい 頭部CT:2mSv 胸部CT:5mSv 自然放射線による年間被曝:2.4mSv(世界:Rn>K40>C14) 例えば、頭部CTのコントラストは、脳細胞の濃度 (CT値:40=グレースケール127~128) を基準にして、低い濃度 (0以下=グレースケール0) を黒、高い濃度 (80以上=グレースケール255) を白として表現している。その為、出血していれば、血液に含まれる微量のFeによって若干高いコントラストになり、脳細胞が壊死して溶解した部分が低コントラストになるのを観察出来る。 骨のようなX線減弱が大きな組織のCT値は大きいので、基本的に高い輝度で表示される。その為、CT値の基準(WL:Window Level)を500~高く設定すれば、骨条件の画像を描出することが出来る。 空間分解能はピクセルサイズに依存する。マトリクスサイズ=512×512なので、FOV(撮影視野)が広くなればなるほど、ピクセルサイズは大きくなる。 ピクセルサイズ=FOV/マトリクスサイズ FOV直径480mmのピクセルサイズ=480mm/512=0.94mm <人体の構成要素のCT値>

撮影部位:肩関節正面

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肩関節正面像では上腕骨頭と肩甲骨関節窩がつくる球関節腔と,肩峰下の間隙が広く観察できる. 一般に肩甲骨関節窩は正中面に対し約30°前内方を向き,肩峰下面は水平より上方へ約20°の傾斜をもつ.このことから撮影体位が決定される. 出典:ほねにくすじえもん また肩関節のX線像は関節包の部分を含め,大,小結節,結節間溝がよく示現しなければならない. 出典:Essential Anatomy2 出典:ほねにくすじえもん それには大結節が上腕骨頭の外側でなく,やや内側へ投影する体位,即ち肘関節でやや内旋し,手掌面を体側にあてる体位がよい.  ●体位 座位,あるいは立位とする.検側背面を受像面に密着させ,非検側を受像面から離す方向で,体軸回旋30°の斜位とする.手掌面は軽度内旋し,体側へつける. ●中心線 上腕骨頭内側(烏口突起)を入射点として頭尾方向20°で斜入する.(イメージはこんな感じかなあ。下) 出典:Essential Anatomy2 <参考> 肩関節Y字撮影

撮影部位:肩関節Y撮影

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Y撮影法とは、肩甲骨の肩峰、肩甲棘、棘上窩までが一直線状に並び、烏口突起と上腕骨・肩甲骨体部が他の二辺となってY字状に描出される方法。 これは肩峰下面の形態をよく観察出来るので、軟部組織が腱や骨の間に挟まれて炎症を起こすインピンジメント症候群などの診断に役に立つそうです。 肩甲骨関節窩と上腕骨頭の中心が重複し,肩峰・肩甲棘・棘上窩までの一辺と,肩甲骨上角・烏口突起からなる一辺,肩甲骨体部の三辺がY字状に投影される.また,鎖骨と上腕骨頭の間に肩峰下関節(第二肩関節)が広く描出される. (と書いてあるのですが、よく分かり辛いので、これなら分かるかな。。) 上腕骨と肩甲骨体部は重複するが,肋骨とは分離する.  ●体位 座位,あるいは立位とする.検側肩前面を受像面に付け,非検側は離すように体軸を回旋する.上腕骨は力を抜いて下垂し,肘関節は伸展位とする. (つまり腕はだらんとして、撮影する方の方をカセッテにつけなさい、ということ。) 肩峰角と烏口突起を結ぶ線の中点と肩甲骨内側縁が受像面に対して垂直になるように調整する. (平べったい肩甲骨の中で外に出っ張っている烏口突起・肩峰が真側面になるようにしようということですね) 体軸を回旋し頭尾方向20°から棘上窩が接線上に描出され、上腕骨を射出点とする。肘関節は伸展位である。  ●中心線 棘上窩が接線となる角度で,上腕骨頭を射出点とする.棘上窩は肩甲棘上縁と15°の角度を持つため,一般的に頭尾方向20°前後で入射する. <背中が丸くなっている人は、支持棒などを非検側で持たせて背筋を出来るだけ伸ばすと良い写真が撮れるときがあります。肩峰、烏口突起、肩甲骨体部は、色んな人の肩を触ってどの位置かなというのを慣れるしかないと思います。自分の場合は、Yになるように垂直に合わせたつもりでも角度が急だった、ということがよくあり、、コツを掴みたいなと思います。> <また、ストレッチャーでたまに背臥位で来る時があります。そんな時は、検側に補助具を入れて、その下にカセッテを入れ、AP方向で撮るので、PAと逆方向(尾頭方向20°)に管球をふって撮ります。> 肩甲窩が上腕骨頭と一致して、肋骨と肩甲骨は分離して撮影される。肋骨と肩甲骨が重なっていたり、逆に肩甲骨と上腕骨の位置がずれて

頭頸部の一般撮影は錐体と眼窩の位置関係を中心に考えられている。

部屋が汗臭くて、なけなしのファブリーズをかけた今日の夜。 くだらない話はさておき、先生直伝の頭頸部の撮影法を覚えるコツがあるそうです。 それがお題にもなっているのですが! 例えば、側頭骨の場合、錐体正面を見るステンバース、錐体側面を見るゾンネンカルプ、内耳道を中心に見るシューラー法、マイヤー法がありますが、どれも眼窩を外してみています。 ステンバース法は顎を引いて、カセッテに対してドイツ水平線を78°に、正中面を45°検側に傾けます。何故こんな中途半端な値なのか、、それは 眼窩を外して錐体正面を見ることが出来るのがこの角度だからなんです 。 また、ゾンネンカルプ、シューラー法、マイヤー法も同じように眼窩を外していることが分かると思います。 また、副鼻腔は特に眼窩と錐体と重なり易いので、かなり鋭角(20°)から副鼻腔を覗き込むように撮影する(コールドウェル)か、副鼻腔が正面に映るように撮影するか、側面から撮影します。あとは情報量が多くて撮影法の定番とも言えるウォーターズ法でも撮影が出来ます。 ざっくりではありますが、これが一つの参考になれば幸いです。 (他の参考記事) タウン法 蝶形骨と側頭骨は必ず覚えろ!

MRIの基本原理

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MRIとは、物質がそれぞれに持っている核スピンという性質を使って、励起信号を画像コントラストにしています。 核スピンとは? 昔、一つの枠には軌道電子が一つしか存在出来ない、ということを高校で勉強したかもしれません。(パウリの排他原理) 原子核に入っている核子一つ一つも同じ状況になっていて、それぞれが異なる、量子数を持っています。 しかし、一つ一つの核子で考えるのは非常に取扱いが不便になってしまうので、原子核を一つのまとまりとしてスピン量子数について考えたのが「核スピン」という概念です。 あくまで便宜上、原子核を一つのスピン方向を持つ粒子として仮定しているだけですが、MRIの原理を考える上では重要な概念です。 核スピンを有する核は小さな棒磁石があると見なせる。 核スピンを有する核は量子論的に自転する(核がスピンしている)と見なされます。 陽子の数だけ核は正電荷を持っていることになるので、正電荷が回転していると捉えることが出来、スピンに応じて環状電流が流れていることと等価です。 そして、フレミングの法則をふまえると、環状電流と垂直の向きに磁場が発生していることになります。 このように原子核の回りに磁場が発生する(核磁気モーメント)時、外部からの磁場が存在する時、一定方向の向きに原子核が揃うようになるのです。 エネルギー準位の低い方と高い方を移動する時、信号検出する。 MRIは、磁場の変化を利用して、信号を検出しています。プロトンが小さな棒磁石なら、磁石がコイルの近くを動くことによって電磁誘導の原理で交流電流が発生します。この交流電流がMRIの信号となるのです。 ところで、磁場の反対方向の向きはよりエネルギーを使うので、数が若干少ないのです。このように核スピンの異なる原子核はエネルギー準位も異なります。この割合を扁極率といいます。 エネルギー準位の高い方に移動する為には、外部からある一定周波数のラジオ波を照射することです。( 無線と同じ原理だと言っている人も。 違う場所で得られた無線信号は別の周波数を持っている?確かに本で遠隔通信系のことを見てみるとにたような回路が書いてあったりする。) 42.58MHz/Tという周波数(ラーモア周波数)のラジオ波を照射することで、プロト

超音波の仕組みと検査の概要

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出典: 八海山倶楽部 音波は非常に速い速度で進行し、物体に反射して跳ね返る性質をもつ。例えば、 やまびこ なんかがそれである。よく音波に使われるヘルツ(Hz)という単位は一秒間にどれくらい音が振動しているかを表していて、人が聞こえる音はちょうど 50Hz〜20000Hz の間だと言われている。 出典: flickr 超音波は 20kHz 以上の高い音波のことで、おもに 1MHzから30MHzくらいまで の超音波を駆使して体内検査を行う方法が超音波検査である。 周波数:f(Hz=s^-1)→周期(s):1/f 波長:速度v(m/s)/周波数(s^-1) 反射波の距離:d=1/2×v(m/s)×t(s) <使用する周波数:深度と分解能によって適切な周波数が決まって来る> 1~5MHz:頭部 2~3.5MHz:心臓 5MHz:小児 10~20MHz:眼窩 7.5~10MHz:甲状腺 周波数が高いものは比較的身体の表層に位置する臓器の為、周波数が高くても使うことが出来る。 一方、心臓やその他の臓器は、 骨や肺、その他の臓器が障害となってしまう 可能性があるので、プローブの当てる方向が決まって来る。 また、浅いところはプローブを小さくするか、プローブを身体からはなすこともある。 プローブから発せられる音波には直進するエコーと、側方へ発せられるサイドエコーというものがあり、診断の邪魔になるアーチファクトの原因になる。 <どんなプローブがあるの?> スキャナにはセクタスキャナ、リニアスキャナ、両者のいいとこどりをしたコンベックススキャナがある。また、肛門や膣、あるいは食道からプローブを挿入して読影する方法もある。(経膣室プローブ:内臓・経食道プローブ:心臓) <どんな仕組み?> 電気により、水晶を振動させることによって超音波を人工的に作っている。 超音波を使った位置特定は、WWIの潜水艦のソナーで初めて使われたが、おおまかな原理は同じで、身体にソナーをしているようなものだろう。。 <超音波検査が得意なこと> 音波は固いものや密度の高いものにあたると境界面で反射の度合い(音響インピーダンス)が変化する。その為、 実質臓器の診断に有用で 、脈管・胆

脳神経の走行する孔ガイド

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脳神経がどの孔を通っているかを知るのは重要だと思うので、下記で是非参照下さい。 出典: IMAIOS 視神経管 :視神経・眼動脈 上眼窩裂 :動眼神経・滑車神経・外転神経・三叉神経眼枝(第一枝) 正円孔 :三叉神経の上顎枝 卵円孔 :三叉神経の下顎枝 棘孔 :中硬膜動脈 破裂孔 :浅・深錐体神経・翼状神経・内頚動脈 内耳孔 :聴神経・顔面神経・内聴動脈 頚静脈孔 :舌咽神経・迷走神経・副神経・内頚静脈 舌下神経管:舌下神経

X線高電圧発生装置:インバータ式回路

インバータ式整流回路は、交流電力の波長を短くし、高周波にすることで、効率的にX線出力に必要な高電圧を供給しようという仕組みです。 最近のX線管装置は、ほとんどインバータ式らしく、ほかには安価で製造出来る歯科向けの自己整流回路式くらいしか据え置きで病院やクリニックには置いてないらしいです。 さてインバータとは家電用冷蔵庫とか電車もよく見るとインバータらしいんですが、X線装置でもエネルギー効率がよく、装置を小型化したり出力の再現性を担保する為にインバータを使っています。 おさらい?すると、X線装置の入力変数には、どれくらいの電圧(管電圧)でどれくらいの電流を(管電流)どれくらいの時間(撮影時間)流すか、という3つの項目があります。 この中で、管電圧を供給する為に必要な巻き線コイルは、三相の場合だと 67cm×60cm×133cmで重量は760kgとほぼ1トンくらいあるのですが、インバータだと体積は約1/8、重量は75kg程度(モールド型というものだと25kg程度)にまで小型化出来るのです。 これは出力電力を示す以下の式が上げられます。 e=k・f・B・A・n1 k:定数,f:電源周波数(Hz),B:磁束密度(T),A:鉄心断面(m2),n1:巻き数 この等式からこれまでは鉄心断面や巻き数を多くすることで高電圧に変圧していたことが推測出来ます。インバータの場合はf(周波数)を大きくする分、鉄心断面や巻き数を小さくすることで装置の小型化に成功しました。 ただし、闇雲に周波数を高く出来るかというとそんなことはなく限度があるようです。 また、電源は単相・三相いずれも可能ですが、大出力の場合は三相交流を用いる必要があります。 50kW(単相),100kV,500mAの出力を1000mAにする場合は、三相にした方が効率が高いのです。 管電圧は常にフィードバック回路によって補正されており、リプル百分率も定電圧装置のレベルをキープしています。X線出力の再現がよいため、10回の計測の標準偏差をもとにした変動係数も0.05以下になります。 また、撮影時間も立ち上がりが早く、公称最短撮影時間の1msもほぼ正確に担保出来ます。(立ち下がりは、ケーブルの等価浮遊容量の電荷の関係があり、Q(C)=I(C/t)×s(t)の関係から、大電流の方が立ち

放射線被曝(被ばく)の確率的影響はどうやって調べるのか?

放射線被曝によって起こりうる「かも知れない」影響について考えたのが確率的影響である。 確率的影響は、被曝線量が増えればもちろん起こり易くはなるが、どの値を越えると発生するというしきい値はなく、重篤度も線量にはあまり関係がない。 たとえば、確率的影響のメインとも言えるのが発がんであるが、被曝してもがんにならない人もいるしなる人もいるので、確定的には起こらない、と考えると確定的影響とも区別がし易いだろう。 がんの発生確率は基本的にリニアに考えるが、白血病の場合はある時期から急速に発病率が変化するLQモデルを採用する。2~3年後から発病、7年後に発病のピークにいたる。 また、他には寿命短縮(人間では検証されていない)や、再生不良性貧血(骨髄へのダメージで起こるが、放射線以外でもおこりうる)も考えられる。 90SrやAmなどアルカリ土類金属系は特に骨に集まり易く、半減期も比較的長い傾向にあるので、晩発影響として再生不良性貧血になることが考えられる。 各身体的・遺伝的影響に対するリスクの考え方は、過剰相対リスクと過剰絶対リスクがある。 線量に対するリスクの考え方 影響の発生率を推定する方法は直接法と間接法の主に二つある。 直接法とはネズミ等の動物実験によって発生率を確認する直接法と、自然発生率が倍になる倍加線量を評価する間接法の二つがある。この倍加線量は、様々な影響で突然変異率が倍になる線量を1Gyと設定している。 確率的影響は、これまでの放射線事故などの事例研究をもとにしていて、80年代のチェルノブイリや70年代のスリーマイル、戦時中の広島・長崎の原爆の調査などをもとにしている。(因みに広島・長崎の原爆による被曝では遺伝的影響は無かったと考えられている。) 影響リスクの原因になるのは、物理的因子と生物学的因子がある。 ・被曝年齢:若い人の方が細胞の放射線感受性が高くリスクが高い。 ・性別:女性の方がホルモンの影響等で発ガンリスクが相対的に高い。特に乳がん。 ・遺伝的背景:発ガンリスクの高い遺伝子(BRCA1の異常等)。毛細血管拡張症の因子があると例えば遠隔転移し易いリスクがある。 線量率も影響があると考えられ、ICRPによって、高線量率の被曝/低線量率の被曝における比率は2と仮定されている。(DDREF:Dose-D

I.I(イメージ・インテンシファイアー)について

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I.I(Image Intensifier)は、入射光子を出力蛍光面に集束させて、潜像の輝度を強調させることが目的の機器です。国試にもわりと頻出で出てきます。 入射面に入った光子が蛍光面で光電効果をおこし、光電子を発生します。その光電子の電子ビームを電極電圧で加速させて、出力蛍光面で光として抽出します。電極電圧の変化によって視野を変更することも出来ます。(可変視野管) 入射面:CsI・Naで構成されており、柱状構造で横方向への散乱を防ぎ、画像のひずみをなくします。 光電電極:電子ビームを加速させる。25~30kV程度の高電圧を印加。 出力面:ZnS(CdS)…そういえば、放射線標識化合物の化学沈殿でH2Sを付加すると出て来るのもこれでしたね。 輝度:(像の拡大率の逆数)^2×陽極電圧…これ分かり辛いのですが、要は、出力面の方が小さいから面積が狭くなる分だけ輝度も大きくなるよ。ということです。狭いところに光を集めているので。 変換係数:Gx=L(cd/m2)/K(μGy/s)…入射光子の相互作用で起こった二次電子に対し、出力像の輝度がどれくらいになるのかを示しています。 これを用いて透視を主に行います。 I.Iを使ったデジタル透視はI.I.D.R(I.I-TV式Digital Radiograph)と呼ばれます。 I.I.D.Rの場合は、CCD、AD変換回路を用いて電気信号→デジタル信号に変換しています。 I.Iは入射窓のひずみが出力画像のゆがみに影響してしまいますが、最近では、FPDを介せばI.Iを使わなくても、信号変換が出来るのでそちらの方が精度が高いです。 <参考> X線TVの搬入・搬出を見学しました

撮影部位:頭頸部・タウン法

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若干OMLineのとりかたが悪く錐体・後頭孔が散乱コントラストで少なくなってしまった。 タウン法(Towne View) 体位:背臥位。OMLineの30°上方からアゴを十分に引く。内耳道の場合のみ25° 中心線:正中矢状面 描出される部位:弓状隆起、鞍背、大後頭孔、外耳道、錐体、下顎頭、蝶形骨洞 解説:後頭部に衝撃を受けた場合タウン法をとる。ちょうど、頭蓋底が画像として描出される。 Image Jで若干散乱コントラストを除去。システム感度を低く、グラディエントを高くして、Brightness&Contrastの範囲を狭くした。 正中矢状面にそった骨折は、鼻中隔と重なっていると確認することが出来ない。また、側面像でも接線になってしまい見ることが出来ない。その為、斜め上方から撮影することで、頭蓋底骨折を確認することが出来る。この部分で出血や骨折があれば、辺縁の変化、骨の移動があり分かる。 錐体先端部の破壊や内耳道周辺の破壊は骨折。静脈血管溝の拡大は静脈還流の障害であると考えられる。 このように頭蓋骨骨折、錐体部上縁/先端の状況、後床突起の形状を見ることが出来る。 因みに頭蓋骨骨折は冠状縫合・矢状縫合・鱗状縫合の3つの順番に確認し、縫合離開骨折の有無を確認することが必要だ。 冠状縫合は外板・板間層・内板の構造になっている。いずれの縫合も3mm以上のずれは異常だと考えられる。 <筆者が考えてみたケーススタディ> 交通事故で後頭部を強打した患者さんがいた。その場では何ともなかったけど、病院でタウン法で撮影してみたところ、内耳道の周辺がしきい値以上のずれが見られ、静脈血管溝も拡大していて、頭蓋内出血している可能性があるので、救急CTに移行することになった。 (追記・編集の可能性あり)